麺房まつみ 冷しぶっかけ & かきあげうどん

2010.10.16

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麺房まつみ 冷しぶっかけ & かきあげうどん

2010.10.16

「伊勢崎町の住宅街に、うどん屋があるの知っちゅう?」

「いや知らん」

「なんか、民家みたいな所でやりよって、パッと見、うどん屋には見えん。
前通っても、気を付けて見よらなぁ、気付かんずく行き過ぎる。
けんど、まぁ美味しいき一回食べに行ってみて!」

今から10年ほど前。
その当時、よく行っていた個人経営の小さなカラオケ店の店主に紹介された。

それが、うどんに狂っていない人でも知っている、
高知でとても有名な老舗の名店、『麺房三宅』だった。

だけど、その頃は、うどんに全く興味が無くて、
その話を聞いても、「ふーん、そうなんだ」としか思わず、
薦められた三宅にも行くことは無かった。

(うどん中毒を発症した近年は、当然、三宅にも何回かお邪魔させて頂いて、
勝手に麺レポートまで書かさせて頂いているのだけど・・・。)
【ちなみに、三宅の記事はコチラ!】→ 『麺房三宅 冷やし牛玉ぶっかけ & 肉うどん』

時は経ち、2010年6月12日。

高知うどん界・・・。

激震・・・!

名店のDNA・・・!
『麺房』を継承する店・・・!

現る・・・!

麺房まつみ

『麺房 まつみ』!!
(店主は麺房三宅で修行された方だそうです)

「いらっしゃいませ!」

若く見える店主の男性と、
奥さんだと思われる女性が笑顔で迎えてくれる。

お二人とも、明るくて愛想がいい。

元来、根暗で内気で奥手で引っ込み思案で、
歩こうとして足を踏み出したら、
踏み出した一歩目で犬のウ○コを踏んじゃうようなボクとは大違いだ・・・。

と、自己嫌悪に陥りながら注文した。

直後、
尋ねられる。

「今から麺を茹でるので、お時間構いませんか?」

手打ちのうどん屋さんでありがちな、店主のその言葉に、
『それじゃ、いいです・・・』
そう言って帰ってしまう人を他店でも見かけることがある。

しかし、この時。
竜一の思考は、むしろ逆。

茹で置きじゃなくて、
茹で立てのうどんが食べられるなんて、最高・・・!

食べるばかりで、
うどんについて専門的な知識は何も無い私。

しかし、茹でてから時間が経つと、
麺の中心部にドンドンと水分が回って行って、
コシが落ちることぐらいは知っている。

店主の問いに、
「はい!」
と、目を輝かせて、首を縦にブルンブルンと振った。

小さくて可愛らしい店内。
木を使った和風の内装。
開けっ放しの出入り口から、そよそよと入ってくる昼下がりの穏やかな風。

気持ちがいい・・・。
眠ってしまいそう・・・。

夢心地・・・!
圧倒的、夢心地・・・!

その時、聞こえてくる、
軽快なリズム。

「トン!トン!トン!トン!」

め、めめめめめ・・・!
麺を・・・!

切ってる・・・!

注文を受けてから・・・!

切ってる・・・!

茹で立て・・・!
切り立て・・・!

興奮・・・!
興奮の余り・・・!
卒倒寸前・・・!

尚も、まつみの攻撃力、
止まるところを知らない。

「ジュワジュワジュワ!
パチパチパチ!」

天ぷら音だ・・・!

油が奏でる音色が、
どこまでも美しい。

これが着メロだったら、
年間ダウンロード数1位、確定。

漂って来る天ぷらの香ばしい香りに、
私の口からは、ヨダレが溢れて出て止まらなかった。

麺房まつみ 冷しぶっかけ(特盛り)

『冷しぶっかけ(特盛り) with E 』
(E=エビ天です・・・!)

トッピングにエビ天を頼んだら、何故かシシトウが付いてきた。

いつも付いているのか、今回たまたまオマケしてくれたのかは分からないけれど、
元シシトウ農家だということを抜きにしても、
シシトウの天ぷらは大好きだから、嬉しい。

それと同時に、
人間の気持ちとは、単純なものだと悟った。

何故ならこの時、シシトウ1本で、
竜一のテンションは、5000%もアップしていたのだから。

麺房まつみ 冷しぶっかけ 麺アップ

三宅を髣髴とさせる、
若干、平らな麺。

食感は、超強力ゴシのタイプではなく、
表面は柔らかいのだけど、噛んで行くに従って硬くなって行く、
表面と、芯との弾力差が大きいタイプ。

やはり、食感も三宅に似ているのだけど、
三宅よりも噛んだ瞬間の弾力は柔らかく感じる。

この個性を見つけた時。
心の中でニヤッとした。

最初、ここに来る前、
最も懸念していたこと。

「三宅のコピーだったら・・ヤだな・・・」

しかし、その懸念。
この時、一気に吹き飛ぶ。

三宅とまったく同じ、三宅のコピーのようなうどんを食べるんだったら、
車で5分で行けるほどの距離しか離れていない本家、三宅に行けばいいし、
まつみに行く意味は、あまり無い。

だが、このファーストインパクトの違い・・・!
これは紛れも無く、麺房まつみの個性・・・!

マツミ・アルデンテ・・・!
(こう書くと、なんか"マツコ・デラックス"っぽくない?)

麺房まつみ かきあげ(やさい天)うどん(大盛り)

"かきあげ"の常識を覆した、
『かきあげうどん(大盛り)』
(メニューには、『かきあげ(やさい天)』と表記されています)

天ぷら類、秀逸。
どれも衣がサクサクで美味しい。

温かい出汁に浸された麺は、
ぶっかけとはまた違った食感を奏でる。

この、まつみ然り、山田の『まるしん』然り、
同時期に出来た店では、『結』や、『匠平』

若い店主が経営する店が増えて来た。

自分や家族の人生を賭けて、
己の腕一本で世の中に、うどんという名の勝負手を打つ。

そういう姿を見て、
「自分も頑張らんといかん!」
と、毎回刺激を受けて、
腹以上に、心を満たされて店を出るのでありました。

麺房まつみ

◆ 麺房 まつみ(高知市塩田町)
営業時間/11時~20時
定休日/木曜日
営業形態/一般店
駐車場/2台(店の西側)

(冷しぶっかけ450円、かきあげやさい天>うどん600円、かけ350円、
エビ天100円、特盛250円増、大盛150円増、中盛80円増など)
『麺房まつみ』の場所はココ!