【高知】レストラン「ピック」ボリューム満点のおしゃれランチ!

2013.06.09

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【高知】レストラン「ピック」ボリューム満点のおしゃれランチ!

2013.06.09

水曜日も、また曇り空が広がっていた。
僕は決められないでいた。

<オムライス・・・食べたいな・・・!>
早くしなければならない、という焦り。それが募れば募るほど決められない。
<エビフライも・・・!ハンバーグもイイッ・・・!>

僕はメニューを必死で睨んだ。
一部のものは写真付き。写真付きじゃないものもある。

決められない・・・。
くそっ・・・決められない・・・。

メニューに記載された料理名を示す、すべての文字列がすこぶる魅力的に写る。
悩む。考えれば考えるほど思考の糸はグチャグチャに絡み合って解けなくなってしまう。

<エビフライ・・・ハンバーグ・・・!オムライスッッッ・・・!
くっ・・・ググッ・・ダメだッ・・・!決められない・・・!どうする!どうするッ・・・!>

絡み合った思考の糸はもう絶対に解けない。
僕はハサミを握った。そして糸を切り落とした。

メニューの一番上・・・!メニューの一番上・・・!
よくメニューの一番上に店のイチオシメニューを持ってくる店は多い!すべての店にその法則が当てはまるわけではないのはわかっているが!メニューの一番上を頼んで今までに後悔したことなんてあるか!?

無い・・・!
答えは・・・無い・・・!

一度だってメニューの一番上で俺は後悔に至ったことなど無い・・・!

メニューの一番上にハズレなしッ!

自分の意思?自分の食べたいもの?関係ない・・・!
もうこの際!自分自身などどうでもいい・・・!
ハンバーグもオムライスもエビフライも全部消し飛ばせ・・・!

決められないんだ!いまの俺ならば誰にだって従うし!
当然この局面!俺は唯一頼れるこの法則に従う!従うしかないんだ!

メニューの一番上の法則にッッッ・・・!

「あっ・・・あの・・・すいません・・・」
僕は誤るみたいにして店員さんを呼んだ。「すいません・・・あの・・・すいません・・・」

「チキン○○を・・・」

いまとなってはメニュー名を忘れてしまったが、僕はたしかにチキンのナントカを注文した。
だってそれがメニューの一番上にあったんだもん。

僕がそれを注文すると、店員さんはソースを、たしかポン酢だったか・・・とデミグラスソースの2種類から選べると言った。

<せっかく洋食屋さんで食べるのだから・・・>
と僕は思った。<デミグラスのほうが何だか洋食っぽい!>

僕はデミグラスソースにした。

レストラン・ピック

そのとき僕がいた店は、名を『ピック』といった。

ピック0

高い天井、大きな窓、テーブルには白いテーブルクロスがかけられている。
「洋食屋さんだけに、洋風やのぉ・・・」
と僕は口の中から外に出ないぐらいの声で呟いた。

ピック1

しばらく待っていると、先に"食前酒"ならぬ、食前ジュース(?)が届いた。
店員さんがジュースの内容を説明してくれたけれど、それは慣れない洋食屋さんに緊張していた僕の頭の中に入ってくる前に消えてしまった。

僕はテキーラをショットで空けるみたいに、食前ジュースを一気に飲んだ。
<爽やか・・・!>

爽やかだった。

ピック2

次にスープが届いた。
<汁物は得意だ・・・!>
と僕はほくそ笑んだ。<うどんとか!ラーメンとか!いつも食べてんだ!>

汁物は俺の源流・・・!
むしろ俺のホーム・・・!

一口飲んだだけで僕はわかった。
<コイツ・・・味噌スープだッ・・・!>

僕はいつもオバ=アが作った味噌スープ、通称"オバ=ア汁"を飲んでいる。
普通の人だと味噌スープだと認識するまでにコンマ3秒はかかるだろうが、僕はコンマ2秒で認識した。

オバ=ア汁に対抗して、ピッ=ク汁か・・・!
そう来たか・・・!ありがとう!感動したぜッ・・・!

ピック6

味噌スープ、あらため、ピッ=ク汁を飲んでいると、唐突に鳥が襲ってきた。

ピック7

「美味しそう・・・!」

口の奥のほうから、そんな言葉が自然にこぼれた。
圧倒的!迫力・・・!圧倒的!攻撃力・・・!

パン粉を付けて揚げられた鶏。チキンカツ。
それにデミグラスソースがかけられていて、デミグラスソースの中には、シメジやマッシュルームだろうか、キノコの姿が確認できる。

<ありがたいッ・・・!>
キノコフェチ歓喜。これは嬉しい。<ありがたいッ・・・!>

ピック4

僕の両手を合わせた面積よりも広そうな、大きな大きなチキンカツ。
あらかじめ切ってくれているけれど、可愛らしく小さな僕の口にはまだまだ大きくて入らないので、それをナイフで、さらに小さく切り裂いて食べる。

やわらかい。けれども、やわらかすぎない適度な弾力。
<肉だ・・・!俺はいま!圧倒的に肉を食べている・・・!>

濃厚な広がりを魅せるデミグラスソース。
このソースだけで、ごはん1升はイケる。炊飯器!炊飯器!

チキンカツを食べて、白ごはんを食べて、チキンカツの隣に添えられたたくさんの生野菜も食べて、店を出る。
お腹がよい具合に張って、体が重い。

<いやぁ・・・!>
と僕はお腹をさすった。<予想外にボリュームがあった・・・!>

とにかく体が重い。
車のシートにドスンと座る。
車が全体的に揺れた。ズドォーン。

いっぱい食べて大きくなります。

レストラン ピック

◆ レストラン・ピック
(高知県高知市瀬戸南町2-8-35)
営業時間/11:30~15:00(L.O.14:00)、 17:30~L.O.20:00
定休日/火曜日
駐車場/有
「ピック」の地図・・・!