ウサギ日和 EP5 「ウサギ島でもアレを食べる、そしてウサギたちとの別れ」

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生姜農家の野望Online運営チームです。
どこかを旅した紀行文など長編シリーズになると、大抵途中で書いている本人が飽きてしまい、突然フェードアウトすることで知られる当blogですが・・・何でも中途半端はいけません・・・!

そこでこのたび、わずか『EP4』まで書いたところで力尽きた、瀬戸内海に浮かぶ“ウサギ島”こと大久野島へ行った話、『ウサギ日和』の続きを、まさかのやる気を出しまして、完結させる所存でございます。

「どんな話やったっけ?」という方は下記のリンク先にて、是非ご一読を!
『ウサギ日和を1話目から読む』  『ウサギ日和の4話目を読む』

まだ竜一はウサギ島にいた・・・!
というわけで、物語はウサギ島で昼食をとるところから再スタートします!


ウサギ島50

時が潮風と共にゆっくり流れていく。

ウサギ島67

僕は相変わらずウサギと戯れていた。
ホテルのフロントで購入したペレット(エサ)を見せると、ウサギが丸っこい目をしてピョンピョン駆け寄ってくる。

<かわいい・・・!>
僕はデレデレデレデレデレデレした。

やがてペレットは底をつく。
「ごめんねっ!もうないの・・・」
僕はウサギよりも可愛らしい口調でウサギにそう言って、スッと立ち上がった。

<お腹減った・・・俺も何か食べよう・・・>

時間を確認すると、ちょうど正午ぐらいだった。
ホテルの入口にあった蛇口で手を洗ってから、中へ入る。

蛇口の近くに紙が貼られている。
水はドコソコから運んできていて、島ではすごく貴重なのもだから無駄に使わないでくれ、というようなことが書かれている。

<なるほどなぁ・・・>
と僕は思い、ガガガガガッと九州新幹線ぐらいの速度で手を動かして洗った。

それからホテルへ入る。
レストランの入口の前で少し躊躇。

<ホテルのレストランとか・・・何年ぶりやろ・・・>
普段は、場末のうどん屋が主戦場なので、なんだか緊張する。

ウサギ島54

ドキドキしながら入ると、店内にいたスーツ姿の男性が上品に案内してくれる。
「はいはい!にいちゃんどこでも座りや!何にする?きつねうどん!?」みたいな雰囲気ではない。

<いやーんすごい!俺偉い人になったみたいー!>
などと僕はすでに大満足だ。

ウサギ島52

ウサギ島53

メニューを見る。

あ゛っ・・・?
うどん・・・!?

平仮名3文字の呪縛は、ウサギ島でも発動される。

<タコうどん定食・・・>
メニューに記載されたそれ以外のものが目に入らない。<タコうどん定食・・・うん・・・これにする・・・>

ウサギ島55

天井から床まである大きなガラス窓の向こう側で、ピョンピョン跳ねているウサギたちと、ウサギと戯れている人たちの姿が見える。

「のどかやのぉー・・・」
僕は昼下がりのおじいちゃんみたいに呟いた。

ウサギ島56

やがて『タコうどん定食』がやってくる。

なんでもこの辺りでは「タコ」が名物らしい。
『タコうどん定食』は、そのタコの唐揚げが入ったうどんと、タコ飯のセットだ。

ウサギ島57

<どうせ冷凍麺・・・大したことないやろー>
僕は舐めきった態度でうどんを口にする。瞬間・・・!<あらまぁ・・・!>

美味しい。

出汁の旨味がすごい。
<なんでしょうこれ・・・圧倒的まろやか・・・!>

いまだかつて食べたことがないような、かけ出汁。
<何がどうなっているのかよくわからないけど、出汁!旨ッッッ・・・!>

高知や香川でいつも食べているうどんは、大抵カツオだったりイリコだったり、あるいは昆布だったりの香りがすることが多い。

だが、このうどんからはまったく違う香りがしていて、しかも味が複雑でえらく美味しい。
魚のアラを入れて水炊きにしたときに出る出汁・・・みたいなそういう味がした。

ウサギ島65

さらに、タコの唐揚げが抜群。
<香ばしい匂い・・・!プリプリした食感・・・!いままで食べたタコの唐揚げの中でもブッチギリの攻撃力・・・!>

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勢いそのままに『タコ飯』を食べる。
<1粒1粒が立ったごはんに、やはりプリップリッのタコ・・・!これも出汁が効いている・・・!>

モグモグ食べる。
これは箸が止まらない。
仕舞いには器に口を付けて掻き込む勢いだ。

<うぉぉぉ・・・右手が勝手に動く!全自動洗濯機のように・・・!右手が勝手に!グルグルグルグル・・・!動きおおす・・・!>

それにしても・・・と僕は思う。
<この出汁の旨さ・・・”上手さ”は普通じゃない・・・!>
僕はうどんの出汁を残さず飲む。<きっとここの料理長はムシキングいいや・・・ダシキングに違いない・・・!>

僕の脳内イメージの中で、料理長は料理人らしい白い服を着て、全身に”節”や”骨”を装備していた・・・。

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大満足でホテルを出る。
僕はそろそろ帰らなければならない。

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そこら中にいるウサギたちを横目に見ながら、2キロ先の港へ歩く。

<名残り惜しいのぉー>
次にここへ来られるのは、いつになるのだろうか。<楽しかった・・・!>

大久野島は広島県に属する。
それを思い出して、僕は船着場の近くにいたウサギたちに挨拶する。

「またくるけぇの!」
と広島弁で挨拶する。

そして僕は、やってきた船に乗り込んだ。

船はドンドン港から遠ざかっていく。
小さなウサギたちの姿は、もう確認できない。

・・・じゃあの。ウサギ島。

(※ 物語はまだ終わらない!あと2話ぐらい続く予定じゃけぇの・・・!)

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著者

竜一

農場経営とブロガーをしています。農協系露地ショウガ農家。1982年高知県生まれ。農業界のうどん野郎/2歳児のパパ/ブログ歴14年/特技は草刈り。ブログとTwitterで「食と農業」をテーマに発信していて、最近は日本の食文化、とくに「家庭料理」に興味があります。


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