生きろ。

水の中に鍬(くわ)を入れては、ゴミをすくい出す。
山の木々が、トンネルを作るような形で水路の上を覆っていて日陰になっているので、幾分マシだがそれでも暑い。

シャツの胸の辺りが濡れているけれど、汗で濡れているのか、水路掃除しているあいだに水が跳ねて濡れているのかわからない。

水路はコンクリート製だが古いので、ところどころに穴が空いている。その穴から水が漏れて、水路の下にある生姜畑や田んぼに流れ込んでしまっていた。

水が溜まると生姜は根をやられるし、田んぼは乾かさないといけないときに乾かなくて困る。

そこで水路を掃除して、ポリエチレン製のダクト(ざっくり言えばビニールみたいな素材の管)を這わそうという魂胆だ。

山の中で一人、黙々と作業する。
コミュ障で、人と喋らなくても平気、むしろ喋るのが得意ではないタイプだが、さすがにわりと寂しい。

寂しさのあまり、水路掃除している途中で現れたミミズと心の中で会話する勢いだ。

「大丈夫だからね、僕が守るよ」
作業中にミミズが巻き込まれないように、ミミズを鍬に載せて安全な場所へ移動する。

私は優しい。

カエルやクモに至るまで、無益な殺生はしない。
私は山の生態系のバランスに、常に気を配っている。

私は生姜王子じゃない。

もののけ王子だ。

そろそろジブリからアニメ化の依頼がくるはずだが、まだ来ない。

<おかしいな……ハヤオも最近忙しいんだろか……>

蝉がやかましく鳴いている。
梅雨明けの発表を喜ぶように鳴いている。

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著者

竜一

農場経営とブロガーをしています。農協系露地ショウガ農家。1982年高知県生まれ。農業界のうどん野郎/2歳児のパパ/ブログ歴14年/特技は草刈り。ブログとTwitterで「食と農業」をテーマに発信していて、最近は日本の食文化、とくに「家庭料理」に興味があります。


コメント

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  1. By 小豆もなか

    SECRET: 0
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    もののけ王子~( ̄∇ ̄)

    ハヤオは忙しいらしいよ…………

  2. SECRET: 0
    PASS: 5b90e6ad183357a027ec0d0443bc9637
    やはり世界のハヤオともなると忙しいんですね……

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