危険!草刈りをしすぎると頭が狂う | 生姜農家の野望Online

危険!草刈りをしすぎると頭が狂う

ライトセーバーを持って、また生姜畑の畦(あぜ)を歩く。段々畑の下段に落ちてしまわないように注意して。

スターターの紐を引っ張ると、ライトセーバーが始動した。

<今日も元気そうで何より>

フォアハンド、バックハンド。振り回すと立ちどころに周囲の草が倒れた。

<弱い、弱すぎる。近頃の中日ドラゴンズのようだ>往年の織田信長みたいに宙を見上げた。<ワシはもっと強い奴と戦いたい。こんな雑草ごとき、もうウンザリじゃ>

常にその時代の最強と相まみえたい。
ジェダイである前に、一人のジャパニーズサムライとして、草刈り道を歩む者として、当然の思いだった。

<うおぉー!こんな草!朝飯前!夜食前なんだよ!僕はもっと、ダース・ベイダーくらい強い相手が欲しいんだ!>

そのとき謎の声が聞こえてきた。

「よくよく考えてみるのじゃ、竜一。お前は元々アナキン・スカイウォーカーの心を持つ者。ベイダー卿と戦うのは不可能じゃ」

「どういうことだよ!ミサトさんだって、綾波だって、ダース・ベイダーと戦う選ばれし者は、僕だって言ったじゃないか!」

「残念じゃが…お前が……」
と言って声が一段と低くなった。その後に発せられた言葉は、とても信じられるものではなかった。

「やがて、お前がダース・ベイダーになるのじゃ」

「そ…そんな……。どういうことだよ。ミサトさん…。ミサトつぁぁぁぁん!!!」

「忘れたのか。アナキンの心を持つ者がダース・ベイダーの名を襲名する。それは古来からの伝統」

恐かった。
自分がベイダー卿になるなんて信じられなかったし、信じたくもなかった。

“恐れは暗黒面につながる”

帝国が誇る草刈り場の中でも最高難易度を誇る、石積みの上に草が生い茂る刈り場で取り乱してしまった。

“恐れは怒りに、怒りは憎しみに、憎みは苦痛へつながる”

心の隙に闇は入り込み、ミスを生む。

<だぁっ…刃が裂けた……!>
石積みに刃を強く打ち付けてしまい、刃の代金800円が飛んだ。恐れが元凶となった典型的失策。

「本来、草刈りは心を無にしなければならない。邪念を捨てるのだ」
「くっ………!」
「フォースと共にあらんことを」

それっきり謎の声は聞こえなくなった。
「いまの声は誰だったんだ……」

わからない。わからないがしかし、とりあえず刃の破損の度合いは軽傷なので、刃の研ぎ方次第で、どうにかまた使えないこともない。

少しくらい失敗しても、意外と何とかなってしまう。
草刈りは人生と同じだ。

Mowing is the same as the life.
I am Anakin Skywalker.

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