「汁なし担々麺」をご存じでしょうか。
名の通り、汁のない「担々麺」のことだが、担々麺発祥の地「中国・四川省」で食べられている担々麺は「汁なし担々麺」であり、「汁なし担々麺」こそが担々麺の原型である。
その「汁なし担々麺」が高知で食べられる店は数少ないが、近年人気を集め、圧倒的に有名なのがこの店。
高知市・土佐道路沿いの「麺処 南」で「汁なし担々麺」を食べる
高知市の土佐道路沿いにある、麺処『南』。
店先に数台分の駐車場が存在するが満車だったため、時間をずらして再訪すると空いていた。
「流れ来てる!流れ来てる!」
麺処 南のメニュー
▲ メニューの筆頭に位置するのは、「汁あり担々麺」と「汁なし担々麺」。2種の担々麺だ。
▲ 「シューマイセットって珍しい……!」
▲ 「替玉」も可能。麺は高知市神田の老舗製麺所「佐竹製麺」のものだそう。
▲ さらに平日の14時まで限定で「ミナミのチカラめしセット」という、ごはんものも提供されている模様。
▲ 汁なし担々麺の食べ方も書いてくれている。
「なるほど。最後に"追い飯"をすればいいんだな……」
「汁なし担々麺」が有名なお店であるが、竜一、じつは入店前から迷っていた。
「汁なし担々麺が有名だとしても、俺はいま『汁あり担々麺』が食べたい気分ではある……」
迷っていたが、丁寧に書かれた「汁なし担々麺の上手な召し上がり方」に心を打たれる。
「『南』の店主さんの、汁なし担々麺を美味しく食べてもらいたい、という情熱が伝わってくる……!」
結局、注文は「汁なし担々麺」に決定。
そのとき目に入ったのは「温泉玉子+50円」の文言。
「たしかに温玉を入れると良さ気だな……」温泉玉子も付けることにした。
麺処「南」の汁なし担々麺(中)
短めの待ち時間。そののちに提供していただいた『汁なし担々麺』。盛りは、あえての「中」。
「汁なし担々麺、メニューの記載は『中』『大』『2玉』とされている。…ということは『中』が1玉で『大』が1.5玉かな……?」
「うどん」においても温泉玉子が付くメニューがよくある。代表的なのは、ぶっかけうどんに温泉玉子をのせた「温玉ぶっかけ」だ。
「温玉ぶっかけ」は、店次第で温泉玉子が殻付きの状態で小皿にのせられていて、客側が任意のタイミングでうどんの上に割り入れる。
竜一!その"いつものクセ"がここで出てしまう……!
とくに何も考えず、小皿の温玉を、汁なし担々麺が入った器に投入しようとした瞬間、目に入ったのは、眼前に置かれた「温泉玉子をご注文のお客様へ」……!
どんぶりに温泉玉子を直接入れない方が、後の担々ライスがより一層おいしく召し上がれます。
あかーん!
慌てて手を止めようとした竜一だったが……!
あ゛あああ゛……!
あああ゛ああ゛あ……!
温玉が止まらない……!
ツルンと!器の中へダイブ!すべり落ちていった……!
終わった……。
『南』の店主さんが、丁寧に食べ方を書いてくれているにもかかわらず……!
竜一!初手から温玉を、ぶち込んでしまう!
「何やってんだ!俺は……!」
自分の重大なミスに、ショックを隠せない……!
もうダメだ!シメの「担々ライス」は、より一層美味しく食べられない……!
「どうしよう……」
絶望感にさいなまれながらも、「汁なし担々麺」に手を伸ばす。
まずは必ず30回以上混ぜ合わせましょう。
なぜなら汁なし担々麺は混ぜた分だけおいしくなる麺料理なのです。
「汁なし担々麺」を提供していただいたとき、店主さん本人からも直接「30回以上混ぜてお召し上がりください」と声をかけていただいた。
汁なし担々麺は、混ぜることが重要!
というわけで竜一、もうこれ以上の失敗を犯してはいけないと懸命に混ぜる。
「イチ!ニ!サンッ!シッ!ゴッ……」ちゃんと数えて混ぜおおす……!
「ヤバっ!最近数を数えることがなかったから、20くらいになると、もうわけがわからない……」
混ぜて完成!汁なし担々麺!
▲ このとき竜一、「温玉ぶっかけうどん」で鍛えたテクニックを駆使し、温泉玉子を崩さないように上手く混ぜることに成功。
「最初に入れちゃいけない温玉を入れてしまったんだ。ここで温玉を崩すと徹底的なダメ人間になってしまう気がした……!」
まずはそのままの状態で「汁なし担々麺」を食べる。
うまっ……!
「『南の汁なし担々麺は美味しいよ』複数の人からそう聞かされて、上がりまくったハードルを簡単に越えてくる!評判通りの美味しさ……!」
なんだろう……。
「すごくまろやか。佐竹製麺の細麺との一体感が半端ない」
ボールみたい。
「麺と担々が一体となって、サッカーボールみたいに飛んでくる感覚……!」
終盤、本来は「ごはん」を投入して「担々ライス」にする予定だったが……。
「初手から温玉を投入してしまった手前、恥ずかしくて『ごはん』を注文できない……!」
途中から「温玉」を崩し、卓上に置かれた「花山椒」をかけて食べる。するとまた味が変化。
「花山椒をかけても思ったほどは、からくならない。美味しいなぁ……」
美味しい……!
「次回は失敗しないように頑張りたい……」
「麺処 南」の所在地、営業時間、定休日、駐車場
所在地/高知県高知市鴨部1丁目6−8(地図)
営業時間/11:00〜21:00 (水曜日は15:00まで)
定休日/無(臨時定休ありの模様)
駐車場/有
一人行きやすさ/◎ カウンター席有り
子連れ行きやすさ/△ カウンター席とテーブル席のみでどうか