高知最大級のグルメ情報サイト

生姜農家の野望Online

竜一という名の農業家

投稿日:2009.09.01 更新日:

7年前に農業を始めたばかりの頃に、親戚のおばさんに問われたことが忘れられない。

「百姓やってみてどうよ。面白いかえ?」

たしか当時の私は正直なところ、
<農業に面白いところなんてあるのか!>
と思っている部分があって、
<んーーー>と言いながら、笑って誤魔化していた。

そしたら横からオビ=ワンが、
「面白いことあるかねゃ!やらないかんき、やりゆうばぁよねゃ!」
と、有難いんだか何なんだかよく分からない横槍を入れてくれた思い出がある。
(今となっては、その横槍を入れたオビ=ワンの気持ちも分かるのだけど)

そしてそれはたしか彼岸か何かで、私と同年代の親戚の男の子が家に来ている時で、その子も、土木関係の仕事と兼業ではあるけれども農業をやっていて、同じ質問に、
「面白い!キュウリとか作っても、ひとつひとつ形が違うのが、面白い!」と答えていた。

私は思った。
「それのなにが面白いんや・・・!」

当時の私は農業を始めたばかりで全てが手探り状態。
その手探り状態の中で体感した、『農業』というものに、絶望しているようなところがあった。

「農業、全然面白くない。暑いし疲れるし、おまけに金にもならん。なんやこれ」

そんなやる気のない私にオビ=ワンは言った。

「まぁ、面白い仕事やないけんど、やりよったら段々面白うなるき」

いま農業や田舎暮らしは、密かなブームらしい。
都会の生活を捨てて田舎にIターンして、農業をやる。田舎暮らしをする。
これが流行っているらしい。

だけど私は異なる。
田舎暮らしに何の興味も無かったし、
農業にも何の興味も無かった。

私は高知市で育った。

学校を出た私は、競馬の騎手になりたいと思っていた。
日本競馬界のスタージョッキーとして今も世界的に有名な武豊が大好きで、
「いつかは自分も武さんのように馬に上手に乗れる騎手になりたい!」
と思っていた。

在学中から、親に無理を言って乗馬クラブに通っていて、馬に乗ることに慣れて、
自分の中ではシッカリと下準備をして、難関といわれるJRA競馬学校の試験に備えたつもりだった。
乗馬クラブで馬に乗れるようになったら、競馬学校の試験にも受かると思っていた。

だが、子供時代の私が考えるほど現実は甘くない。

問題は、視力だった。

当時の私の視力は0.2(今は0.1)。
近所の書店で立ち読みした本には、入試時に0.8以上無いとダメだというようなことが書いてあった。
ちなみに、地方競馬騎手は、0.6!

つまり、0.2では完全アウト!!

当時の私は母親に言った。
「東京に行ったら角膜を切って視力を良くする手術が出来るらしいんだけど・・・!」

母親は、やんわりと反対した。
「そういうのって最近出来たやり方で、まだ50年先まで大丈夫やったっていう例が無いがやきね~。もし歳が行ってから目が見えんなったら、あんた、困るろ?」

「いつか目が見えなくなってもいいから、手術して騎手になるんだよ!!」
と私は言いたかった。

だけど言えなかった。
「乗馬クラブに通うことで金銭的に大きな負担を強いている親に、これ以上の迷惑は掛けられない」
と思った。未知に挑戦するには甘すぎる。俺が。

そこで私の夢は、終わった。

それでも夢は捨てきれず、某競馬場で厩務員(馬の世話をする仕事)をしたり、
夜の仕事をしたりして、でも長くは続かなくて自分の将来を考え始めた折に、
母親からPHSに電話がかかって来た。

「あんた、ブラブラしゆうんやったら、オジイてつどうちゃり~!(手伝ってあげろ、の意)オジイも歳が行って大変らしいわ」

この電話が生姜農家・竜一の、最初の一滴だった。

「その一滴は、やがて大河となり・・・!」
と続く予定だったけれど・・・未だに小川だということは、この時点で記しておきます。(笑

そんなこんなで自給自足の田舎暮らしに憧れたわけでも、農業に憧れたわけでも何でもなく、ただ単に、「やらなければならないから」「他にやりたいこともないから」という簡単な理由で農業を始めた私。

最初はオビ=ワンに月3万円のお小遣いを貰う形で、
成り行きに任せた農業生活が、スタート♪

20万円を超えていた月収は、何分の一か計算したくもないような状況に!
(当時は、「3万で何が出来るんやボケ~!」と思っていましたが、今となっては3万円を捻出してくれたオビ=ワンに感謝です!)

そのあとも前やっていたブログを休止する頃までは、
オビ=ワンやオバ=アとは、対立の歴史でした。

農業の方針を巡っては、揉め。
元々チャラチャラした私の素行を巡っては、揉め。

しかし、このブログを立ち上げた頃からは、私もだいぶ大人になり。
オビ=ワンやオバ=アの言っていることの意図も、だいぶ読めるようにもなり。

『人の愛』が、少しだけ理解できるようにもなりました。

まだまだ自分でも「若いな」と思う部分があり、
至らない部分だらけですが、よろしくお願いしたいです。

このブログを書くにあたっては、常々、「田舎暮らしの押し売りになってはいけない」
「農業の押し売りになってはいけない」と思っています。

田舎暮らしにも、農業にも、良い側面はありますが、ツライと思う側面もあるからです。
人に雇われた方が楽だと思う側面もありますし、都会の暮らしの方が楽だと思う側面も沢山あります。

『農業=田舎暮らし=楽しい』では決してありません。

だけど「農業ってイイ!」「田舎暮らしも悪くない!」と思う瞬間も多々あります。
そんな瞬間って、その時々に書き留めていないと、結構忘れちゃうんですよね。

だから、その瞬間を、
誰かと一緒に共有したい。
誰かに聞いてもらいたい。
誰かと一緒に笑いたい。

そんな想いからブログを書いています。

「百姓やってみてどうよ。面白いかえ?」

この質問。いまだに素直に「面白い!」とは答えられません。
8年目ともなると『百姓』という仕事が、だいぶ自分の体に馴染んではきましたが、
まだ心の底から百姓には成れていないな、と感じています。

そんな、"エセ百姓"が綴る『生姜農家の野望Online』
野心ゼロの私に『野望』なんて実はこれっぽちも無いわけなのですが、
のんびりと。だらだらと。書きながら。

読んでくれる物好きな皆さんと、
笑い合いながら歩んで行けたらいいなと思っています。

2010年4月10日(駅弁の日) 農業が段々と好きになってきた制御不能系農民・竜一

▼ Facebookページに「いいね!」すると更新情報が届きます。コメントもお寄せいただけます。

Facebookページに「いいね!」すると更新情報が届きます
コメントもお寄せいただけます

Twitter で

Instagramでフォローする

スポンサーリンク

竜一

1982年生まれ。高知で農業経営しています。食べ歩きが好きで飲食店が好き。飲食にたずさわる人が好き。農業と高知のグルメ情報をまとめたサイト「生姜農家の野望Online」を運営。農業や生姜などの野菜のこと、大好きな飲食店を知ってほしくて書いています。[お問い合わせコチラ]

▼ 各種SNSも更新中、フォローしてね!

Copyright© 生姜農家の野望Online , 2019 All Rights Reserved.