廻る土

投稿日:2010.12.20 更新日:

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生姜畑が乾いた。
トラクターで、耕す。

山の段々畑は恐ろしい。
上の畑から下の畑。
転落したら、死ねる。

冗談抜きに。

実際に今までに何度か、
転落しかかったことや、
畝の段差で横転しかかって脇汗が噴き出たこともある。

それだからトラクターを扱う時は、
集中力を高めて慎重に扱うようにしている。

昔は、
「怪我したら怪我した時。
死んだら死んだで、それまでじゃん!
人間、いつかは死ぬからね~」

そんな風に、軽く考えていた時期もあったのだけど、
段々と、そんなことが言える状況でもなくなってきた。

土地を守り続けるということ。
生業を行い続けるということ。

農の本質。
生の本質。

解り始めたから、
無茶はしなくなった。

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「ゴトゴトゴトゴト」
朝から晩までトラクターに揺られながら、
収穫後の生姜畑を耕す。

そうしていると、
ふと、ある言葉を思い出した。

「なんやかんや言うたち、百姓はえいぞ。
結局、百姓は土さえあったら、生きて行けるきに」

年配の農家のオジサンから聞いた、この言葉。
酒の席で酔っていて誰が言ったのかも覚えていない、この言葉。

「『土さえあれば』か・・・!」

当時、20代前半だった私には、
その言葉の意味が、よく解らなかった。

だけど、言葉だけはシッカリと心に刻まれていて、
時々、私の中で繰り返し再生される。

日が落ちかけた生姜畑。
私はまだトラクターの上にいた。

後方を見やって、
キチンと耕せているかを確認していた時。

土の中に混ぜ込まれた生姜の茎が目に映った。
その瞬間、陽光に照らされた氷が融けるように、スゥーッと。

言葉を覆っていたものが、僅かに解けた。

生姜は土から生まれて、土に還る。
他の作物も同じ。

ダイコンも。
タマネギも。
ピーマンも。

草や木や花も。
動物も。
人間も。

最期は土に還る。

土は生み出し、包み込む。

輪廻。

すべての原点は、土であり、
また、すべてが還る場所も土なのだ!

そのことに気が付いた時。
土の力や魅力に気が付いた時。

私も思った。

「土さえあれば、生きて行ける」

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  • この記事を書いた人

竜一

1982年生まれ。高知で生姜農家をしています。うどんをかぶって寝たいほどうどんが好き。ラーメンとカフェも好き。これまでに食べ歩いた飲食店は数千件。高知のグルメ情報はおまかせください。農業家/ブロガー/農業界のうどん野郎/農業は生姜一本で稼いでます。

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