今年も、日も当たらない狭小畑で

投稿日:2011.11.19 更新日:

「生姜掘りに来て・・・ころーど暑いとは思わんかったよ・・・!」
(ころーど = これほどの意)

生姜の収穫を手伝いに来てくれている近所のおじさんが、そう言う。
たしかに、"ころーど"暑い11月は、私も記憶に無い。

寒くなって霜が降りると、
生姜が腐ったりして大変な事になるために、
例年だと、ドンドン低くなる予想最低気温に脅えながら、
テレビやラジオから流れる天気予報を聞くのだけれど、

今年は、「今のところは・・・」だが、
まだ余裕があり、脅えるほどのことはない。

しかし、この畑の収穫をする時は、別格の寒さだった・・・。

思えば、去年もブログに書いた、
『日も当たらない狭小畑』である。

日も当たらない狭小畑で

その日、最低気温は、
たしか「9℃」という気象庁の発表。

11月のこの時期で、最低気温9℃というのは、
至って普通で、驚くほどのことは無いハズなのだけれど、
常日頃から、地球温暖化を肌で感じる小春的気候に包み込まれていた身に取っては、
最低気温9℃でも、なかなかに辛い寒さだった。

太陽の傾きは、地球温暖化に連動せず、
相変わらず、これまでと同じ様に傾く。

10月以降は、例年通り、
南にある山にそびえ立つ木々の向こう側に太陽が隠れてしまって、
この狭小畑には、一日中、ロクに日が当たらない。

オビ=ワンが若かりし頃は、
山の上の方まで段々畑が広がっていて、
今みたいに、忌々しく太陽をさえぎる木々なんて無くったと聞くのに。

掘り取り機が引き上げた生姜を起こしながら、
おじさんが笑って言う。

「今年はぬくい思いよったら・・・いかん・・・!
やっぱりココは・・・しょー寒いのぉー・・・!」

一日中、日が当たらないから、
畑周辺に漂う空気は冷え切っている。

「ココは・・・まいねん寒いがねぇー・・・!」

こんな寒い畑を今年も手伝ってもらわないといけない事を、
申し訳なく思いながら、私は苦笑した。

「上の山の木が太ったきに・・・!
ココはもう日が当たらなぁ・・・!」

生姜に付いた土を除けながら、
そう言うオビ=ワンに、おじさんも頷く。

「まっこと・・・スギは太りよいがねぇ・・・!
こないだ植えたと思うたら、アッと言う間に太るきに・・・!」

(太りよい = 成長が早いの意)

耕作放棄をした土地は、放っておくと巨大な草が大量に生えて、
害虫の温床、つまり近隣の田畑を耕作する人の迷惑となってしまうから、

ウチの方では、地主の管理の手間も考えて、
木を植え、大きな草を生やさないようにする場合が殆どなのだけれど、

木を植えたら植えたで、
その木が成長した暁には、
北方に位置する畑に日陰を生み出す。

日が当たらなくなった畑では、
どうしても栽培可能な作物が限られてくるから、
結局、耕作を辞めてしまう。

まさに、『負の連鎖』
中山間地域の現実である。

「寒うなったら湯豆腐がエエのぅ・・・!
・・・!それと熱燗っ・・・!」

そう言って、おじさんは「ヒャッヒャッヒャッ」と笑った。

異議なしっ・・・!

青空とあたくし

生姜の収穫は、
やっと6割ほどの面積を収穫し終えた。

例年通りのスローペース。

今年も他の農家が来なくなった農協の出荷場へ、
ウチだけが通うことになりそうだ。

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  • この記事を書いた人

竜一

1982年生まれ。高知で生姜農家をしています。うどんをかぶって寝たいほどうどんが好き。ラーメンとカフェも好き。これまでに食べ歩いた飲食店は数千件。高知のグルメ情報はおまかせください。農業家/ブロガー/農業界のうどん野郎/農業は生姜一本で稼いでます。

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