幻の山雀うどん 釜なっとう

2012.05.04

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幻の山雀うどん 釜なっとう

2012.05.04

4月のある日。
雨上がりで、ぽっかりと空いた予定。

ついに機会がやってきた!とばかりに、
私は嬉々として土佐市へ向かった。

昨年の夏から想いを馳せながらも、
ローテーションが上手く噛み合わず、
なかなか食べることが出来なかったあの一品を食べるために・・・。

一蓮

しかし、目的の店、「一蓮」
シャッターが下りていて、わずかに覗く店内も薄暗い。

一蓮 長期休業?

戸に紙が貼られていたから見てみると、休業するという旨が記載されていた。
(4月14日時点での話です、現在の状況はわかりません)

ここで「釜なっとう」なる、
"釜揚げ麺の上に、「納豆」「生卵」"という構成になっているらしいうどんを食べたいと思って、
その一心で何十キロも車を走らせて来たのに、と、ガッカリしたけれど仕方が無い。

世の中は、なかなか自分の思い通りには行かないものだし、
こういうことは初めてではない。

結局その日は、先日書いた「雅」でうどんを食べるに至った。


それから家に帰って、暇だから精神統一でもしてみようと、
暫し瞑想したりしていると、精神が非常に統一されたようで、とても良いことを思い付いたのだった。

そうだ・・・!
自分で「釜なっとう」を作ればいいんだ・・・!

だが、自分の家でうどんを作る場合、最大のネックになるのは、
"うどん屋さんで食べるほど美味しい麺が手に入らない"ということである。

特に「釜なっとう」みたいな、釜揚げ麺をそのまんま、
かけ出汁無しで食べるスタイル
は、かけ出汁で誤魔化すことすら出来ないため、
麺の良し悪しがモロに出てしまい、その辺で売っている「ゆで麺」ではかなりツライ。

やはり「釜なっとう」を家で作ったとしても、
美味しく作るのは難しいかと諦めかけていたそのとき、

"トイレの神様"ならぬ、"うどんの神様"が現れた!

うどんの神様は白く長い髭を触りながら言う。

「冷凍庫をよく見てみるのじゃ・・・!
なんかエエものが、あるかもしれんぞ・・・!」

「冷凍庫?」

「そうじゃ!冷凍庫じゃけん!
美味しい釜なっとうを作れよ!じゃあの。」

などと、うどんの神様は、
なぜか竹原慎二のモノマネをして去って行った。

その後、冷凍庫を見てみて驚いた。

ナント!

近年すっかり有名になって、だんだん幻じゃなくなってきているという噂の、

あの「幻の山雀うどん」
冷凍保存されているではありませんかっ・・・!

(幻の麺師・山雀[やまちっち]さんのブログはコチラ! → 「☆☆☆ うどん 粉ぼれ話 ☆☆☆」

しかも「釜なっとう」に必要な、ネギ、卵、納豆は、
偶然にも、あらかじめ買い揃えられてあった・・・!

こんなことがあるんですね。

私は早速、嬉々として"幻のうどん"を湯掻いた!

そして数分後。
出来上がった一品。

そのあまりの美しさに、
私は心を奪われた。

人類よ、見るがいい。
幻の麺線が描く、うどん新世界・・・!

幻の山雀うどん 釜なっとう

『幻の山雀うどん・釜なっとうレボリューション』

<どうだい・・・綺麗だろう・・・!>

麺の美しさはもちろん、
さすがとしか言いようが無いのが、竜一先生の「盛り付け」

長年「たも屋」に通って培った技術さ・・・!

納豆には、"食べ易さ"への配慮で、高級な超小粒「なっとういち」を使用し、
ネギは「青ネギ」ではなく、納豆に合いそうだという理由で「やっこねぎ」を指名。
さらに卵は「土佐ジロー」を使うと思わせておいて、あえての「冷蔵庫に残っていた普通の卵」

生姜は、もちろん竜一産生姜・・・!

その上からかけるのはコレっ・・・!

たまりしょうゆ 百年の技!

百年の技・・・!

幻の麺師・山雀さんと、
創業百余年の蔵元の、技と技の共奏だ・・・!

とまぁ、わざわざ写真まで撮って大々的に掲載したけれど、
私は醤油のことには何も詳しくないから注意が必要だ。

裏話を暴露してしまうと、スーパーに売っていた中で、
一番強そうで、一番偉そうな醤油を購入しただけである。

幻の山雀うどん 釜なっとう アップ

普段より細めにしてあるという「山雀うどん」

細めなのが「釜なっとう」として食べるには好都合で、
納豆ごとガブガブと掻き込むような感じで食べられる。

<これは美味い・・・お世辞抜きに美味い・・・!
表面クニュリ・・・中シコッ・・・最後にモチッ・・・!
今までに数度"山雀うどん"をいただいたけれど、今回が一番美味ぁい・・・!>

~ 後日 ~

幻の山雀うどん 釜揚げ醤油(豚しゃぶゲソ・エディション)

『幻の山雀うどん・釜揚げ醤油』
(豚しゃぶゲソ・エディション)

スーパーの惣菜コーナーにて、
パートのおばちゃん達が丹精籠めて作った「ゲソ天」

それから、前日の晩ごはんの残り物である、
「豚しゃぶ」を贅沢にあしらった、ひと品。

湯掻いた麺に、醤油をかけただけの状態でいただく。
もちろん醤油は先の「百年の技」である。

一口、二口と食べた私は目を丸くして言った。

「豚しゃぶとうどん、合うのぉっ・・・!」

あまりの相性の良さに驚愕。
噛むと中から旨味が染み出る幻の麺線を味わいながら、心底思った。

<来世は、豚になるか、うどんになるか、迷うなぁ・・・>

◆ 幻の本手打ち 山雀うどん
営業時間/幻~麺切れまで
定休日/幻の休み(ぇ)
営業形態/幻の営業形態
駐車場/幻の駐車場

『幻の本手打ち 山雀うどん』の場所はココっ・・・!