瀬戸大橋の点検をするためだけに、香川へ行く

投稿日:2013.07.16 更新日:

高級な軽自動車のエアコンを全開にしていても暑い。
フロントガラス越しに、太陽の熱気がムワンムワン伝わってくる。
暑い。それにしても暑い。

<香川・・・高知より暑くないか・・・!>
と思いながら僕はハンドルを操作する。<久しぶりだね、うどん県!>

香川県善通寺市。
国道何号線だか、県道何号線だか、それすらもわからない道をひた走る。

<どうせ香川さんは、また俺がうどんを食べにきたと思っているんだろうが、今回の俺は違うぞ・・・!>
僕は車を運転しながらグフッグフッ!とほくそ笑んだ。<今回はうどんなんか食べないぞぉっ・・・!>

※ 今回は、
うどんなんか
食べない。

<いつもいつも香川にくるたびに、うどんうどんうどんうどんうどんうどん・・・!うどんはもういい・・・!>
赤信号。僕は車を停止させる。そして語気を強めて独り言を言う!

「今回、俺が香川にきた目的はひとつ・・・!」

瀬戸大橋の点検だっ・・・!

いったい自分が何を言っているのか、自分でもわからない。
でもたしかに僕は瀬戸大橋の点検がしたいのだ。

「瀬戸大橋の点検がしたくて香川へ。・・・何が悪いっ・・・!」
何も悪くない。誰がどう考えても僕の思考はいたって正常だ。

瀬戸大橋へ向けて、ドンドン走る。

「400メートル先、左方向です」
と、そのとき突然スマホが喋りだす。

スマホに入っているグーグルマップには、カーナビみたいなことをしてくれる機能がある。
どうやらスマホは、瀬戸大橋までの道順を案内してくれているようだ。

<ナビに入力した覚えはないんだけどな・・・>
と僕は不思議に思う。<でも、まぁ細かいことは、いっかー!>

世の中には、考えてもわからないことがたくさんある。
それを僕は大事なことを除き、イチイチチマチマ考えない。

「その先、右方向です」
とスマホが女性の声で言う。

「はいっ!」
と僕はスマホに返事する。

「その先、左方向です」

「はいっ!」

「その先、右方向です」

スマホは僕のことを信用していないのか、交差点へ差し掛かるたびに念を押す。

「右方向です」
「右方向です」
「右方向です」

瞬間、僕の中でナニカのピンが飛ぶ。
そして僕は土佐弁になる。

「うるさいっ!何回も右やー右やー!言わいでもわかっちゅう・・・!」

スマホと喋っているあいだに、車はドンドンと妙に入り組んだ道へ入っていく。

「目的地周辺です」
唐突にスマホは案内をやめる。「お疲れ様でした」

「お疲れぇぇぇー!って・・・ちょっ・・・瀬戸大橋ないやん・・・」
ハッとして僕はスマホに謝る。「あ!ごめん!さっき俺がうるさい言うたき案内やめたが?」

スマホは完全に沈黙している。

<沈黙の要塞みたいだ・・・>
と僕はよくわからないことを思った。

そして、とりあえず車から降りることにした。

「しかし暑いなー!暑いでっ・・・!しかしっ・・・!」
と僕は、ちょっとだけ横山やすし風味に独り言を言ってみてから、顔を上げる。

「ありゃりゃ・・・!
えらいこっちゃー!」

オハラうどん10

こんなところにうどん屋がっ・・・!

いったい何がどうなっているのだろう。
僕にはわからない。

僕は瀬戸大橋の点検をするために、瀬戸大橋を目指していた。
それなのに、僕はいつの間にかうどん屋さんへたどり着き、いままさに、うどん屋さんの前に立っているのである。

<世の中には、考えてもわからないことがたくさんある・・・>
と僕はそのうどん屋さんを見上げながら、しみじみ思った。<オハラうどん・・・聞いたことがあるな・・・>

僕は記憶の糸を、圧倒的なまさぐり方で、まさぐってまさぐる。
<そういえばココ・・・以前、善通寺に住んでいたという方から薦めていただいた店だ・・・>

世界に存在する偶然や奇跡が起きる確率は、こんなにも高いのだろうか。

なぜだか唐突に始まったスマホの誤作動。そして「オハラうどん」への、いざない。
まるで、ここにくることが、あらかじめ運命で決められていたみたいだ・・・。

(続く・・・!)
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竜一

1982年生まれ。高知で生姜農家をしています。うどんをかぶって寝たいほどうどんが好き。ラーメンとカフェも好き。農業家/ブロガー/農業界のうどん野郎/農業は生姜一本で稼いでます。

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