ブンッブンッ!ネットを外す!

投稿日:2013.10.16 更新日:

飛行機が飛ぶ音に、思わず空を見上げた。
台風26号が近付いているなんて、信じられないほどの快晴だった。

「おぉの、肩が挙がらんが・・・!」
畝(うね)の向こう側でオビ=ワンが苦笑した。

生姜畑に張ったネット(網)を外す作業を、二人でしていた。

「ほんでも、今年はネットが外しやすいやか」
と私が言うと、オビ=ワンは再度苦笑した。
「去年から言うたら、だいぶ出来が落ちるのぉ、7割ばぁに見ちょかないかん」

例年、ネットの網目に生姜の茎がギュウギュウに詰まり、なかなか外れず苦労する。
しかし今年は夏場の猛暑が影響し、生姜の茎があまり茂っていないので、外しやすい。

「明日、本当に雨降るろうかねゃ」
オビ=ワンはネットを外しながら言った。「こればぁ晴れちゅうに」

「台風が近付いて来ゆきねぇ」
私はそう言ったが、オビ=ワンは信じられないといった様子だった。
「降るろうか・・・」

そしてネットを外すあいだ、オビ=ワンは何度か大野さんを登場させた。
「おぉの・・・おぉの・・・腕がすくむ」


台所からいい匂いがする。
「出来ちゅうで!はよ食べ!」

オバ=アの言葉に「へぇへぇ」と適当に返事して、台所を素通り。
居間へ行き、灰色の紙を探す。

すかさず牽制球が飛んでくる。

「新聞は食べてから読み!」

ほんの少しの動作でその先の行動を当てるとは、オバ=アもなかなかやりよる、と思った。

私は新聞を探すのをやめて、台所へ戻った。
そのとき、ちょうどオビ=ワンも台所に入ってきた。

シメジやエリンギなどのキノコを入れた、炊き込みご飯。
それとお吸い物が、飯台の上に置かれていた。

「あんまり風が吹かんかったらえいが・・・」
食べているあいだもオビ=ワンは台風のことを気にしていた。
「ネット外したき、いま強い風が吹いたら生姜の茎ぁ折れてしまうが」

生姜の収穫が間近に迫っている。
一日でも早く体勢を整えるため、台風接近を無視する形で収穫準備を進めていた。

「台風が来て生姜の茎が折れたーいうときに・・・」
と私は言った。「せっかくネット張っちょったけんど、台風が来る前日に外いたわー言うたら、笑われるでぉー」

オビ=ワンは、炊き込みご飯を口に含んだまま苦笑した。
「ヒャッヒャッ!」とオバ=アが笑った。

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竜一

1982年生まれ。高知で生姜農家をしています。うどんをかぶって寝たいほどうどんが好き。ラーメンとカフェも好き。これまでに食べ歩いた飲食店は数千件。高知のグルメ情報はおまかせください。農業家/ブロガー/農業界のうどん野郎/農業は生姜一本で稼いでます。

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