「ほたるの里ふたみ」ほたる祭

2014.06.27

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「ほたるの里ふたみ」ほたる祭

2014.06.27

「あぁっ…!ここだ……!人がいっぱいいる……!」

街灯もロクにない山あいの道路。暗闇の中を行き交う人々を見て、私は確信していた。

<間違いない!ここがほたる祭りの会場に違いない……!>

その闇の空間に一ヶ所だけ明るい場所がある。
<たぶん、あそこが翠(みどり)小学校だな……>

『ほたるの里ふたみ・ほたる祭』
というイベントが開催されていると知ったのは、ほんの数時間前。「エミフルMASAKI」内の書店で、愛媛県のタウン情報誌を立ち読みしたときだった。

<何の予定もなく…フラッと愛媛にきたその日…ここ双海(ふたみ)でほたる祭りをやっているという偶然……!>

これも何かの縁だと思った。
ホタルをわざわざ見ようとしたことなんて、数年来なかった。

愛媛でホタル…ほたる祭………。
面白そうだ、と思った。

もちろん初参加の、ふたみ・ほたる祭。
事前の情報は、ほぼゼロ。

車から降りて辺りを見渡していると、翠小学校のグラウンドに設置されたステージ付近で提灯(ちょうちん)を渡しているという旨を伝えるアナウンスが流れた。

見ると、道行く人々はみんな提灯を手にしている。
<風情があっていいっ…!俺も提灯!欲しい!>

おそらく提灯の数には限りがあるだろうから、早足にグラウンドを目指す。

生ビールを売っている夜店を途中で発見して、心が持っていかれそうになるも、堪えてグラウンドを目指す。

生ビールが飲みたい気持ちが溢れて禁断症状が出そうになりながら、なんとかグラウンドに到着。

係りのおじさんから提灯を貰った!

提灯を手に、先程の道路に戻る。
道路の脇に小川が流れている。

小川のほうを見ると、黄色い光が無数に揺らめいている。


(暗すぎて私のカメラではこれが限界でした!)

ホタル……!
いっぱいいるっ……!!

無意識の内に口が開く。あんぐりと開く。ついでに瞳孔も開く。

すごいっ……………!

感動っ!

ホタルが飛んでいる。
優しく温かい光を黄色く放って飛んでいる。

美しく舞う光を、ただただ見つめる。
周りが真っ暗なので、光が鮮明に輝いている。

ホタルの光に胸を打たれていると、再度アナウンスが流れた。

アナウンスによると、グラウンドで今度は風船を配るという。

<風船…………!>
よくわからないまま風船を貰いに行く。

それはヘリウムガスが入った、飛ぶ風船だった。
係りのおじさんは、風船から手を離さずにそのまま待機していてくれと言った。

風船には、札が付けられている。

そこに地元の小学生の作だと思われる、ほたる祭をPRする手書きのメッセージとイラストが書かれていた。

<ほぉーーー>
これを学校で書いている子供の姿を想像した。<俺も一緒に書きたい……>

ステージ上でお兄さんがカウントダウンを始める。

「さん!」

周りの子供たちも、お父さんもお母さんも爺ちゃん婆ちゃんも、みんな風船を手にしている。

「にー!」

ドキドキしてきた。
フライングで風船から手を離さないようにしなきゃ。

「いちっ!」

いちだよ!いちっ!もう離していいの?飛ばしていいの?でもまだみんな飛ばしてない!

「ゼロォー!」

ゼロがあった!ゼロまであんのか!飛ばすよ!いいよね!みんな飛ばしてる!俺も飛ばす!

おおっ!綺麗っ!
甲子園の7回裏みたいだ!

風船を飛ばしてお開きとなったようで、風船カウントダウンをしていたお兄さんがステージ上で締めの挨拶をし始めた。

「今年も無事に開催できて本当によかったです。来年もお天気に恵まれることを祈って……」

と言うお兄さんの心のこもった挨拶から、祭を開催できたという喜びがこちらにまで伝わってくる。

<今日この日に偶然愛媛に来れてよかった。すごくいい祭だった……>

グラウンドをあとにする。
地元の人々に紛れて、停めた車まで小川沿いの道路を歩く。

闇の中を流れる小川の上でホタルが飛んでいる。
優しく温かい光を黄色く放って飛んでいる。