鮭のムニエル ~こだわりのタルタルソースを添えて~

投稿日:2014.06.28 更新日:

サーモンをムニエルにしてタルタルソースをかけて食べようと思ったのは、トラウトサーモンがニジマスだと知ったときだった。

<信じてたのにっ!いままでずっとサーモンだと思って食べてたのに……!>

こうなったら逆恨みするしかない。

サーモンめ……!
サーモンめっ……!!

私は怒りに震えた。
その振動を利用して、茶こしを振るった。

サーモンに白い粉をたくさんかけて、憎きサーモンピンクを白色に染めてやった。

それからフライパンにバターを溶かし、さっきのサーモンを力任せにブチ込んだ。

サーモンは熱に焼かれ、皮をこんがりと焦がしている。

少々熱そうなサーモンが可哀想になる。でも情に流されている場合ではない。もう後戻りなんてできないのだ。

<アナタが悪いのよっ!トラウトサーモンがニジマスだと知っておきながら、アタシを騙したアナタがいけないのよっ!>

溢れる涙を鍋拭きで拭いて、サーモンを裏返す。サーモンはフライパンの上に力なく横たわっている。

<トラウトサーモンがニジマスだから…ニジマスだからこんなことになったのよ!>

出来上がって皿に盛り付ける頃には、鍋拭きは涙でビショビショになっていた。

私は泣きながら、タルタルソースをスプーンにすくった。

サーモンの上にたっぷりかけた、こだわりのタルタルソース。

憎しみに震え、泣いたりもしたけれど、食べる頃にはトラウトサーモンがニジマスだなんてことは、どうでもよくなっていた。

ニジマスがサケ科だと知ったからだった。

作っている最中、「ニジマス wiki」で検索して見てみると、そこにたしかに書いてあったのだ。

ニジマスはサケ科だと。

考えてみれば、ピーマンもナス科でシシトウもナス科だ。トマトだってジャガイモだってナス科だ。

ニジマスがサケ科ならば、ニジマスがトラウトサーモンを名乗っても大きな問題はないように思えた。

いいんだ。トラウトサーモンの正体がニジマスだったとしても、それでいいんだ。

「だってサケ科だもの」

私はあえて、相田みつを風味に言ってからムニエルを食べた。

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竜一

1982年生まれ。高知で生姜農家をしています。うどんをかぶって寝たいほどうどんが好き。ラーメンとカフェも好き。農業家/ブロガー/農業界のうどん野郎/農業は生姜一本で稼いでます。

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