草刈り機のエンジンを止めて草の上に腰をかけると緩やかに風が吹いて、私の金た…(違っ)金髪を揺らした。秋の風だった。
<今晩のオカズは何にしようかしら>昼下がりの主婦みたいに考えた。
秋と言えば、秋刀魚やら鮭やら、キノコやらスノコやらと、たくさんの秋の味覚がある。
<秋刀魚はこのあいだ食べたし、鮭もよく食べるしなぁ…>なかなか晩のオカズが決まらない。
草の上に寝転がった。瞬間、背中に痛みが走った。
「いてっ…!」悶絶して起き上がり、地面を確認した。イガ栗が落ちていた。<ケツに刺さらなくて良かった。またパンツが破れるところだった…>
安心すると同時に閃いた。
<栗ご飯にしようかっ!あるいは白ご飯と栗…栗をご飯のオカズにして食べようか…!>
それならば、と、栗をたくさん採って帰った。
茹で栗にして食べた。
栗は私の口の中の水分を全部持って行った。