無益の境地

投稿日:2014.10.28 更新日:

収穫二日目は、昨日と違って肌寒い朝だった。

一部、病害が発生している箇所から先に掘っている。

病原菌に感染して腐り始めた生姜は、置いておいてもさらに腐るだけだし、腐った生姜は売れもしないので、人を雇うと人件費がそのまま赤字になる。

だからまだ、オビ=ワン、オバ=ア、私、ウチの三人だけで収穫している。

十時頃に一旦休憩。

「これ生姜のお菓子で!」と言って、オバ=アがオビ=ワンに煎餅タイプのお菓子を食べさせていた。

「生姜の味がして美味い」
と一口食べたオビ=ワンは頷いた。

「生姜の匂いもなかなかするねぇ」
そう言ってオバ=アも頷いた。

え?と思い、私も食べてみた。

次の瞬間、笑いをふき出した。

「これ、生姜らぁひとつも入ってないやんか!」

「けんど、生姜の味がするぞ!」
反論するオバ=ワンに私は菓子袋を指差して言った。

「ここ見てみいや!柚子煎餅いうて書いちゅう!」

「ありゃー?」
オバ=アが苦笑した。

「柚子の味がして美味い」
もう一枚食べて、真顔でそう言うオビ=ワンに私は笑った。

「なに食べたち一緒やん!」

「無益!無益!」
オバ=アは顔を皺くちゃにした。

埋蔵金はまだ出ない。

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竜一

1982年生まれ。高知で生姜農家をしています。うどんをかぶって寝たいほどうどんが好き。ラーメンとカフェも好き。農業家/ブロガー/農業界のうどん野郎/農業は生姜一本で稼いでます。

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