二日間収穫したあと、畑を移動するために収穫を休んで機械を運搬したり、一人で親生姜の荷造りをしたりしていた。
親生姜とは、前年に収穫して今年の春に植えた生姜のことで、文字通り「親」なのだが、これも生姜に違いはないので出荷できる。もちろん新生姜とは別にして売るため、親生姜は親生姜で荷造りをしないといけないわけだ。コンテナ一箱に何キログラムと規格が決まっているから、その通りの重量にして出荷する。
「いらん生姜があったらくれませんかね?」と数年前に見知らぬおばさんの集団が突然やって来たことがあったが、病気が来て腐りでもしない限り、捨てる生姜などない。
生姜を無料でもらおう、もらえて当たり前だ、というおばさんたちの態度に「いやいや我々も遊びで生姜を作ってるわけじゃないんだよ」と、オバ=アと私は唖然とした記憶があるが、心優しいオビ=ワンはおばさんたちに生姜を無料で進呈した。まあいいんだけれど。
ロクにありがとうも言わずに去られたのも、いまとなってはいい思い出です。