生姜の専門家が語る生姜のサイト

最強のジンジャーバイブル

竜一

日本一の生姜の産地・高知県で生姜農家を経営している竜一と申します。「生姜で美しく」をテーマに、生姜の専門家が生姜のすべてを語るサイト「最強のジンジャーバイブル」を運営しています。

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田んぼの縁に立つオビ=ワンと車で通りがかったモトコ

【生姜の神様】エピソード9/近所のおばちゃん

走り慣れた集落の道だが、車を運転しながらモトコは慎重になっていた。 最近は高齢者の重大事故が多い、自分も気を付けなければ、と気を引き締めた。 モトコが嫁に来た50年ほど前から住んでいるのは、過疎化が進む中山間地域のいわゆる限界集落とはいえ、道路は拡張済みで車線は区分されていないものの、対面通行が可能となっている。 それでも70歳を回ってから、自分の運転技術が明らかに衰えてきたことを自覚しているし、何しろモトコが住む家の手前300メートルほどは道幅が急激に狭くなっていて、車1台がようやく通れるほどである。 ...

魚屋の駐車場にとめた軽トラック

【生姜の神様】エピソード8/おめでとう

9月に中稲なかせの新米が取れたばかりの10月だった。 買い物に行こうとオビ=ワンが車を運転していると、助手席に座るオバ=アが聞いてくる。 「なんか食べたいあるもんあるかえ?」 オビ=ワンは少し考えを巡らせたけれど、思い浮かばない。 「別に、なんでもえいわや」 「肉か魚やったらどっち」 少し悩んで答えた。 「んん、どっちでもえいわ」 「どっちでもが一番困るが!」オバ=アは眉間にシワを寄せる。「歳が行ったら変わったもんを思い付かん」 オバ=アが毎日の料理に苦心していることを知っているからこそ、オビ=ワンも気を ...

スーパーの店先のベンチに座って待っていたオビ=ワンと合流するオバ=ア

【生姜の神様】エピソード7/買い物パートナー

「ほいたら、ちっくと買い物してくるきね」 「いらんもん買わんと、ちゃっちゃと買うてこいよ」 「おじいさんはやかましい!子どもに言うようなことをイチイチ言いな!」 スーパーの駐車場にとめた車の助手席から降りると、オバ=アは足早に店舗へと急いだ。 急ぐのには理由がある。 いつもオビ=ワンに、オバアは買い物の時間が長い、品を選ぶのに悩みすぎだ、と言われることがオバ=アのプレッシャーになっているのだ。 オビ=ワンが、そう言いたくなる気持ちも理解できる。 自分が買い物をしているあいだ中、オビ=ワンはスーパーの外や中 ...

ちくと休もう と言うオバ=ア

【生姜の神様】エピソード6/ふたつのお茶

ハブ茶の茶葉 「ここでえいかや?」 オビ=ワンは、軽トラの荷台に積んだハブ茶を納屋に下ろしながら言った。「だいぶあるねゃ」 「だいぶあるち、こればぁないと足らんもの」オバ=アは眉毛を上げて口元を尖らせた。「これから揉むがずるうないわ揉むのが大変やわ」 「トロクソたくさん植えるきよや」 「こればぁないと足らんと言いゆうろ?」オバ=アは強い口調で言った。 アンタはやかましい! あっちへ行っちょり! 「おおの恐い、近寄られん」オビ=ワンはオバ=アに冗談だとわかるように、わざとおどけて言った。 ハブ茶の茶葉 家で ...

阿呆言いな、というオバ=ア

【生姜の神様】エピソード5/業火の地下足袋

生姜畑で草取りをしていると「ウウウー」とサイレンが鳴り響いた。 山あいの集落に正午を告げるサイレンだ。 オビ=ワンは空を見上げた。 「はや昼になったか……」 昔はうるさいほど聞こえていたサイレンだが、最近は耳が遠くなって聞き逃すことが多い。 「きょうは珍しく、聞こえたよ」 生姜畑専用の地下足袋を脱いで、靴を履き替える。 「昼飯食べてからまた来るき、地下足袋は日陰へ置いちょこうか」 オビ=ワンは地下足袋を生姜畑の脇に置いた。 軽トラに乗って家に帰り、昼食はいつもの"オバ=ア飯"。 暑い中での農作業に疲れ、少 ...

農機屋のヤスちゃん(ヤスヒコ)とオビ=ワン

【生姜の神様】エピソード4/農機屋のヤスちゃん

セミが必死に鳴いている。 ヤスヒコは生姜畑の脇に軽トラを止めると窓を開けた。 「おーい、オビさん。トラクターの爪を持てきたもってきたが」 生姜畑で作業していたオビ=ワンが、生姜の葉のあいだから、ひょっこりと顔を出して笑う。 「おお、ヤスちゃん、持ってきてくれたかのお」 ヤスヒコはトラクターの爪が入った小さな段ボール箱を掲げた。 「えらいく仕事が早いが」とオビ=ワンが笑う。 「そらぁ、いる言うたら暫時ざんじ持ってくらぁよ」ヤスヒコはおどけて見せた。 オビ=ワンもおどけて言う。 「ぐっすり儲けゆろ」 「儲ける ...

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