生姜の専門家が語る生姜のサイト

最強のジンジャーバイブル

【生姜の神様】エピソード2/ナスの煮浸し

2019.07.09

前の話を読む
オビ=ワンにバーカと言うオバ=ア
【生姜の神様】エピソード1/毒舌婆さん

続きを見る

台所でナスを切っていると、土間の戸がガチャリと開く音が聞こえた。

誰が家に帰ってきたのか察したオバ=アは、土間の方を向いて声をかけた。

「先にお風呂へ入りや。汗になっちゅうろうがね」

ナスの皮に斜めに細かく切れ込みを入れる。こうするとナスの余分な水分が抜ける上に、味が染み込みやすくなるのだ。

準備ができたナスを合わせ出汁に浸して、しばらく煮込む。

沸々と沸き立つ紫色した汁。おいしそうな匂いが漂い始めた鍋を見つめていると、オビ=ワンが菜園にナスの苗を植えていた、3か月前のことを思い出した。

「おじいさんがせっかく植えちゅうもんやき、食べれる内に食べな、もったいない」

風呂から聞こえていた湯をかぶる音が消えて、代わりに風呂の引き戸がガラガラと開く音がした。

その音を合図に、できあがったナスの煮浸しを器によそう。

ジンジャーシロップで作ったナスの煮浸し

風呂から上がってきたオビ=ワンが、部屋着姿で台所にやってきて言う。

「ナスを煮いたか」
「あんたが食べたいいうき、煮いたわね」

「ちと、食わしてみいや」

「やかましゅう言わいだち、もうそこのお皿へ入れちょらぁね」

オビ=ワンは、飯台に置いたナスの煮浸しを一口食べて言う。

「なかなかうまい」
「そらそおよ、アタシが一所懸命煮いたもの」

「違わぁや。オラの栽培の仕方がえいきよや」

「そんなことない。なんぼええナスでも煮方が良うなかったら、おいしゅうならんき」

「そうかよ」とオビ=ワンは苦笑する。

オバ=アは、ナスの煮浸しに唐辛子を少し入れすぎたかもしれないと心配していた。

「ちょっと辛いろう?唐辛子をどっさり入れたきに」

「言うほど辛うないぞ。ちと辛いばぁが、うまいわや」

電子レンジで日本酒を燗するオビ=ワン

オビ=ワンは飯台の椅子から立ち上がると、食器棚に向かった。

「どりゃ、一杯飲もうか」

日本酒をパックからグラスに注いで、電子レンジにセットする。

その光景を見て、おじいさんは機械に強いなぁ、とオバ=アはいつも思う。

現代の家電製品を扱うのは一苦労で、老眼鏡をかけて説明書を読んでも理解不能な横文字が並んでいるのにオビ=ワンは説明書をほとんど読まずに使えてしまう。

それにしても、昔はお酒を湯でイチイチ燗するのが面倒だったのに、便利な時代になったものだ。

以前のように自分が晩ごはんを作る忙しいさなかにお燗をしてあげなくても、いまはオビ=ワンがレンジを操作して自分でお燗してくれる。

レンジで温め終わった日本酒のグラスを取りながら、オビ=ワンが言う。

「このナスはピリ辛で酒のアテにピッタリじゃ」

「あんまり飲みすぎなよ」オバ=アは釘をさした。

「年寄りがなんぼでも飲めるかや。1杯2杯飲むばぁよ」

おどけるオビ=ワンに、オバ=アは苦笑した。

「1杯2杯言いよって、3杯4杯になるろうがね」

「なるかや。オラも、もう歳じゃきに」

オビ=ワンは「うまいうまい」とナスの煮浸しをおかわりして食べた。お酒は1杯しか飲まなかった。

次の話を読む
入れ歯を入れ忘れたオビ=ワンと笑うオバ=ア
【生姜の神様】エピソード3/白いごはんと味噌汁

続きを見る

▼ Facebookページに「いいね!」すると更新情報が届きます。コメントもお寄せいただけます。

Facebookページに「いいね!」すると更新情報が届きます
コメントもお寄せいただけます

Twitter で

Instagramでフォローする

竜一

日本一の生姜の産地・高知県で生姜農家を経営している竜一と申します。「生姜で美しく」をテーマに、生姜の専門家が生姜のすべてを語るサイト「最強のジンジャーバイブル」を運営しています。

▼ 各種SNSも更新中、フォローお気軽に!

おすすめ記事

現役の生姜農家がおすすめする
ジンジャーシロップとは

  • 続かない生姜生活していませんか?

乾燥させた生姜のみに含まれる成分「ショウガオール」には、体を深部からの温めるエイジングケア(老化防止)腸内環境をスッキリさせるなど様々な効果があります。

生姜が体によいことはわかっていても、生姜を毎日の献立に取り入れるのは大変ですよね

でも「気が向いたときだけ生姜料理」では、生姜の効能を十分に実感することは難しいです。

竜一
生姜を毎日摂るために、以前から私は「生姜を食べるのではなく、飲む」という提案をさせていただいています。

"飲む生姜"を実現するのが、乾燥生姜パウダー × 5,000億個の乳酸菌 × 36種類以上のミネラルを配合したジンジャーシロップ「乳酸ジンジャー」です。

煮出した生姜のエキスだけでなく、乾燥生姜パウダーほかの成分を配合することで、家庭で自作できない圧倒的高品質のジンジャーシロップを実現しています。

乳酸ジンジャーは、お湯や炭酸で割って、生姜湯やジンジャエールにして飲むだけ。これなら毎日いつでも気軽に生姜が飲めます。もちろん料理にも使えます。

現役生姜農家の竜一がおすすめする、ジンジャーシロップ「乳酸ジンジャー」で本当の生姜パワーを実感してください。

\ 定期便なら25%オフ /

乳酸ジンジャーを申し込む

生姜農家がおすすめする理由はこちらから
定期便は縛りなし!1か月の利用のみでも解約できます

最新記事

田んぼの縁に立つオビ=ワンと車で通りがかったモトコ
【生姜の神様】エピソード9/近所のおばちゃん

走り慣れた集落の道だが、車を運転しながらモトコは慎重になっていた。 最近は高齢者の重大事故が多い、自分も気を付けなければ、と気を引き締めた。 モトコが嫁に来た50年ほど前から住んでいるのは、過疎化が進 ...

魚屋の駐車場にとめた軽トラック
【生姜の神様】エピソード8/おめでとう

9月に中稲なかせの新米が取れたばかりの10月だった。 買い物に行こうとオビ=ワンが車を運転していると、助手席に座るオバ=アが聞いてくる。 「なんか食べたいあるもんあるかえ?」 オビ=ワンは少し考えを巡 ...

スーパーの店先のベンチに座って待っていたオビ=ワンと合流するオバ=ア
【生姜の神様】エピソード7/買い物パートナー

「ほいたら、ちっくと買い物してくるきね」 「いらんもん買わんと、ちゃっちゃと買うてこいよ」 「おじいさんはやかましい!子どもに言うようなことをイチイチ言いな!」 スーパーの駐車場にとめた車の助手席から ...

ちくと休もう と言うオバ=ア
【生姜の神様】エピソード6/ふたつのお茶

ハブ茶の茶葉 「ここでえいかや?」 オビ=ワンは、軽トラの荷台に積んだハブ茶を納屋に下ろしながら言った。「だいぶあるねゃ」 「だいぶあるち、こればぁないと足らんもの」オバ=アは眉毛を上げて口元を尖らせ ...

Copyright© 最強のジンジャーバイブル , 2019 All Rights Reserved.