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【生姜の神様】エピソード3/白いごはんと味噌汁

投稿日:2019.07.10 更新日:

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電子レンジで日本酒を燗するオビ=ワン
【生姜の神様】エピソード2/ナスの煮浸し

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暑い8月だった。

7月からの40日間ほどにわたり、雨はロクに降らず、最高気温は毎日35℃前後を連発していた。

母屋の離れにある寝室から出たオビ=ワンは、やれやれといった表情を浮かべた。

「きょうも朝から暑いねゃ……」

離れと母屋のあいだに広がる庭を眺めると、オバ=アが何やら険しい表情で庭を西へ東へと歩き回っていた。

オビ=ワンはわざと丁寧な口調で言った。
「暑い中、今朝も花の世話に精が出ますねぇ」

「植えたからにゃ世話せないかん。子どもみたいなもんよ」オバ=アは相変わらず険しい表情を浮かべて花に水をかけている。

「朝メシはできちゅうかや」
「台所へ行ってみいや!味噌汁を炊いちょらぁね!」

「ほうかよ」オビ=ワンが母屋の台所に入って行こうとしているとオバ=アが言う。

「おじいさん!味噌汁に卵を落といちゃろうか」

「ほいたら、そうせいや」
「はよう食べんと卵も腐るきに」

「オラに腐りかけの卵食わすかや」
「腐りかけと言いやせん。賞味期限が近いと言いゆうが」

オバ=ア汁

朝は、いつも白いごはんと味噌汁、そう決まっている。

オビ=ワンは飯台の椅子に腰を下ろすと、オバ=アが用意した朝ごはんを食べようと箸を手に持った。

「味噌汁が熱いき、気をつけよ。舌を焼きなよ」とオバ=アが言う。

「わかっちょらぁよ。子どもに言うようなことを言うなや」

そのときオビ=ワンはハッとした。

入れ歯を入れ忘れたオビ=ワンと笑うオバ=ア

「いかん。おらぁ入れ歯をはめてない」

「歯がないと、そら食べれなぁ」オバ=アはヒャッヒャと笑った。

「おおの、歳がいったらメンドイもんよ」オビ=ワンはやれやれと思った。

喉に詰まらせないように、卵が丸ごと1個入った味噌汁と白飯をゆっくり、ゆっくり食べる。

食べ終わったら、居間で新聞を読みながら少し休んで、軽トラに乗り込む。

軽トラは、オビ=ワンの相棒だ。
……何度か買い替えてはいるけれど。

夏の生姜畑

生姜畑に着くと、夏の日射しが老体に容赦なく照りつけてきた。

ギラギラと輝く太陽を見て、オビ=ワンは少しゲンナリした表情を浮かべた。その額にはすでに汗がにじんでいる。

殺菌効果が高いことで知られる生姜だが、じつは生姜自身は病気に弱い作物だ。

生姜に感染する病原菌が足の裏に付いてこないように、生姜畑に入るときは靴を履き替える。

オビ=ワンは生姜畑専用の地下足袋を履きながら思った。

「きょうもセミがよう鳴くよ」

セミが鳴いている。ミンミンジージー鳴いている。

「えらい鳴くが、セミも暑いろうかねゃ……」

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農機屋のヤスちゃん(ヤスヒコ)とオビ=ワン
【生姜の神様】エピソード4/農機屋のヤスちゃん

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日本一の生姜の産地・高知県で生姜農家を経営している竜一と申します。「生姜で美しく」をテーマに、生姜の専門家が生姜のすべてを語るサイト「最強のジンジャーバイブル」を運営しています。

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