『(1)を読む』 店内は賑わっていたが、セルフレーンに列はできていなかった。来たタイミングが良かったようだ。 「『かけ』もいいけど、『釜玉』が食べたいんだよなー」私は頭上にあるメニューが書かれた木札を見ながら呟いた。 「組織からの指示は『かけ』だよ。『釜玉』はまた今度ね」と言ってブランは微笑んだ。丸い頬が犬の姿のときの面影を残している。 「ちょっと待ってくれ…」私は両手を広げて豪語した。 『釜玉』を食べたいのは、いつかまた今度じゃない…! 今日なんだっ………! 「組織の指示通りにやってもらわないと、100 ...