2012!春の四万十ぶらり旅!
『手打ちうどん たも屋 春野店』 → 『四万十へ、新風追いかけて』 → 『UDON KUA'AINA (うどん・クアアイナ)』
→ 『西の西、足摺岬へ』 → 『道の駅 めじかの里・土佐清水』 → 「足摺海洋館」 → 『竜串海岸』 →
『グッバイ!土佐清水!』 → 『いろりや 肉醤油うどん & 力豚のカレーうどん』 → 『番外編』
高知県民でありながら、
「ご自由にお取りください」という状態になっていた土佐清水市の観光パンフレットを、
わざわざ貰ったのには理由があった。
元々、新店「クアアイナ」でうどんを食べることを一番の目的として、四万十方面を目指したはいいが、
うどんのあとは決まった予定が何も無く、思いつきで気軽に足摺方面に流れて来たけれども、
一体全体どこに行けば、この地を満喫を満喫できるのかが、イマイチわからなかったのだ。
一応、高知で生まれ育って現在も高知に住む高知県民だから、
「足摺岬」を始めとしたいくつかの観光名所は、もちろん知っていたけれど、
いかんせん、私が今現在、高級な軽自動車のアクセルを踏んで走行している道は、
容易く簡単にいつでも気が向いたときに走れる道じゃない。
東西、特に西の長さには定評のある高知県だ。
私の家からは、香川の高松市に行くよりも、愛媛の松山市に行くよりも、
徳島市に行くよりも、高知の土佐清水市に行くのが、最も多くの時間を費やす。
そのため、私は土佐清水市の名所を伝え聞いて大まかには知っていたが、
高知県民でありながら、土佐清水市に到達した回数自体は数えるほどしか無いがために、
詳細には記憶していなかったから、観光パンフレットを貰ったのだ。
それは、足摺方面へ走ることを決めた時とも同じで、
「クアアイナ」で"かしわ天"を取った時とも同じ感覚だった。
後悔したくなかった。
飛行機ならば高知から東京まで、
ゆうに一往復して余りあるほどの時間をかけてこの地に来たのだ。
土佐清水市で自分が最も行きたいと思う場所に行けなかったと、
あとから何かのきっかけで気が付いたら、後悔してもしきれない。
私は、「道の駅・めじかの里」ベンチに腰を下ろして観光パンフレットをジックリ眺めて、
ここだけは行っておきたい場所を足摺岬の他に、2箇所、厳選した。
そのひとつがココ。
『足摺海洋館』
「おと・・・おと・・・おとな・・・」
などと勢いよくドモリながら入口で大人料金700円を支払い、堂々と入場。
何度か来たことはあるが、
ほとんど記憶から抹消されていた海洋館内の風景。
入るやいなや、円柱型の大きな水槽がドドーンと登場。
その中をグルグルと泳ぎまくる多数の魚たちを「ほむほむ」と眺めていると、
14時から水槽の魚に"エサやり"をするから是非見てくれ、という旨を伝えるアナウンスが館内に流れた。
14時まで、あと何分ぐらいだろうと思い、
時間を確認すると、すでに14時ちょうどを指しているではないか。
<つまり、今からエサやりを行うということか・・・!>
なんというタイミングの良さ。
たまたまフラフラと思いつきで海洋館にやってきて、入った途端にエサやりイベント開始である。
運を使い果たした。
もう今年はロクなことが無いのではないかと思う。
館内には、それほどたくさんの来場者はいない。
とどのつまり、水槽の間近で、いわゆる"かぶりつき"の位置で見られる。
最高である。
最高であるが、もう運は使い果たした。
などと、ヤサグレながら水槽を見詰めていると、
上方に魚たちが物凄い勢いでドンドンと昇り始めた。
見えないけれど、どうやら上方で飼育員の方が水槽にエサを投げ入れているようだ。
それに気付いた、おびただしい数の魚たちが、エサ目掛けて上昇して行っている。
よく魚同士がぶつからないものだ。
あるいは、ぶつかっているのか、大丈夫か!
上方の水面付近は、えらいことになっている。
灰色だ。水面を魚たちが覆い尽くしていて、一面灰色だ。
ふと、後ろを振り返ると、『マンボウ』
中央の円柱型水槽で繰り広げられる、魚と魚のエサを賭けた争奪戦を他所に、
ひとり穏やかに水中を漂っていた。
そして、ズンズンと二階へ上がる。
足摺海洋館にいる生物たちは、
なかなかに個性的な面々だった。
石のあいだに、永遠にずっと嵌っているエビ。
面白い顔の魚。
「エイ」に尻尾をツンツンされて、
怒ってエイを追いかけていた。
それを10分ほどかけて、入念に観察して次に行くと、
次は、なぜか背中合わせにポーズを取って佇むカニ2匹であった。
こうしていただけると、カニのお腹側がどうなっていて、
背中側がどうなっているのかを、詳細に見ることが出来て、よくわかる。
なかなかサービス精神が旺盛な奴等だ、ありがたい。
この水槽には何もいないのかと思って見ていると、
岩だと判断していたそれが、魚。
良い顔をしている。可愛い。
これもまた入念に観察して、次。
大きな貝がいた。
大きな貝はフラフラと水中を漂い、
もうひとつの大きな貝に、重なった・・・。
足摺海洋館自体は、それほど大きな水族館ではなくて、
イルカショーもアシカショーも無いが、
魚たちが、みんなえらく個性的で、私はかなり楽しめた。
一通り見終わって、時刻を確認すると、
入館してから、実に1時間以上が経過している。
最後に入口近くにいたアザラシを、
これもまた時間をかけて入念に観察。
私は動物園に行った場合でも、ひとつひとつをジックリと見てしまう。
なんだか生き物を見ていると、
コイツは今何を考えているのだろうかと、気になって、
それを読み取ろうと、ジックリと見てしまうのだ。
そうして、アザラシをジックリと見ていると、
逆にアザラシもコチラをジックリと見返してきた。
私はカメラを構えると、
その愛くるしく、つぶらな瞳に向けてシャッターを切った。
(つづく・・・!)
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