竜串海岸

2012.06.08

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竜串海岸

2012.06.08

2012!春の四万十ぶらり旅!
『手打ちうどん たも屋 春野店』 → 『四万十へ、新風追いかけて』 → 『UDON KUA'AINA (うどん・クアアイナ)』
→ 『西の西、足摺岬へ』 → 『道の駅 めじかの里・土佐清水』 → 『足摺海洋館』 → 「竜串海岸」 →
『グッバイ!土佐清水!』 → 『いろりや 肉醤油うどん & 力豚のカレーうどん』 → 『番外編』


怪岩奇岩の名勝「竜串海岸(たつくしかいがん)」へは、
「足摺海洋館」から車で1分。

歩いたとしても、簡単に行けるような距離だった。

広い駐車場。
停まっている車は疎らで、閑散としている。

案内標識に従って、海岸のほうへ歩いて向かっていると、
駐車場の片隅にある土産物店の前に立っていたオバチャンが、
「珊瑚(さんご)はいらないか」と声をかけてきた。

しかし、珊瑚に多くの興味はなく、
私はあくまで「珊瑚」よりも「饂飩(うどん)」であるから、
微笑を浮かべて適当にあしらって、海岸を目指した。

数隻の船が停まる海を左手に見ながら、
整備された道をテクテク歩いて行くと、堤防があった。

そのコンクリート壁に設けられた階段を登ると、
すぐさま見えた景観に、「おおっ・・・!」と声が漏れる。

竜串海岸にて

砂浜が固まって岩になったかのように、
海の直前までカーテンみたいに波打つ茶色い岩肌が続く。

それは、「岩」というよりも、この辺り一体全部が、
ナニカ巨大な「生物」に思える。

竜・・・。
なんだか大きな竜の骨の上に乗っているみたいだ・・・。

圧倒的な迫力に飲まれて、
私は、しばらく立ち尽くした。

<これはすごい・・・!>

15時を過ぎていた。

本当は、このあと、
17時までの営業である四万十市のうどん屋に行きたかったので、
竜串海岸は少しだけ見て、すぐ四万十市に引き返そうと思っていたのだけれど・・・。

うどんを食べている場合じゃなくなった。

<この怪岩奇岩を見て帰らないと、
おそらく人生の9割を損する・・・!>

しかも、うどんは有料だが、竜串海岸は無料。
無料で絶景!こんなお得な話は、そうそう無い。

だが、元々、竜串海岸を歩く予定などまったく無かった私は、
厚底で、とてもオシャレな英国紳士風の靴を履いていたから、大変だった。

海岸の岩の上は、凹凸だらけ。

そのため、足をひねったり、転倒して骨折・・・。
などという、病院送り的な最悪の事態にだけはならないように、
細心の注意を払って慎重に歩いた。

竜串海岸 高い

自然さん側は、もちろん、人間が歩き易いように道を作ってくれていたりはしないから、
進む道が無い場所には、人間用の道がコンクリートで作られてあった。

しかし、必要最低限の幅で拵えられているので、
場所によっては、結構恐怖。

竜串海岸 高所を慎重に渡る竜一先生

とにかく、病院送りにだけはならないように、
私は一歩二歩と歩を進めた。

竜串海岸 大竹小竹

誰が付けたか、様々な名が付いた色々な岩があった。

竜串海岸 蛇の千匹連

「蛇の千匹連」という岩は、
「蛇」というよりも「かりんとう」に見えた。

竜串海岸 蛇の千匹連2

けれども、「かりんとうの千匹連」では、
格好が付かないし、あまりにも美味しそうだから、ダメなのだろう。

竜串海岸 龍馬風味の竜一先生

最初は、歩き辛くて苦労したが、
途中からは慣れてきて、ズンズン歩く。

ここは遠くて、なかなか来られる場所じゃないから、
詳細に、くまなく見ておく必要がある。

そこで、高い岩の上などにもドンドン登って、シッカリと観察した。

私は、大抵のことにはテキトーでいい加減だが、
日頃は、地球と、自然と、向き合って仕事をしているため、
自然のこととなると、徹底的に、見て、知って、味合わってみなければ気が済まなくなるのだ!

竜串海岸 降りる竜一先生

・・・と、テキトーに書いてみたが、
本当は、ただそこにデカイ岩があったから登ってみたかっただけで、
つまり、「ナントカと煙は高い所が好き・・・」という法則である。

竜串海岸にて ウサイン・ボルト風味

極めつけ。
岩攻めの次は、山攻めだった。

「奇岩地帯を抜けてやっと帰れる思ったら、今度は山っ・・・!
ありがたいなぁっ・・・二の矢三の矢の攻めっ・・・!ありがたいっ・・・!」

竜串海岸 ジャングル!

「ヒイヒイ」言いながら、山を登って降りる。

竜串海岸 ジャングル内の道

コンクリートで舗装された道には「コケ」が生えていて、
地下足袋ならまだしも、今日の私は英国紳士靴なもので、滑る滑る。

スキー競技の「滑降」みたいに、滑りながら降りてきた。

竜串海岸 ジャングル!!

そして、ついにやっと、
平坦でマトモな地面を踏みしめることができた。生還だ。

<岩!山!と来て、最後はコンクリートスキー・・・!
いやぁ・・・!ありがたいっ・・・!>

「所要時間約25分」とされていたところを、
岩に登ったりしていたため、倍ぐらいの時間をかけて歩いてしまったが、
とにかく、奇岩の迫力と、道なき道を行くスリル、最後は道の上で滑降する恐怖。

様々な冷や汗体験を、次から次へとすることができて、とても楽しかった。
しかも、これだけ楽しんでも無料なのが最高、冷や汗最高!である。

駐車場まで帰ると、来たときと同じく、
土産物店のオバチャンが待ち構えていて、声をかけてくる。

また珊瑚を売り付けられるのだろう、と思っていたら違った。

「おかえりなさい、楽しめましたかねぇ・・・?」

私は笑って、「はい」と答えた。

そのあとで、案の定、「珊瑚はいりませんか」と続いたが、
「あはは」と適当に笑って誤魔化して車に乗り込んだ。

私は、あくまで「珊瑚」よりも「饂飩」である。

(つづく・・・!)
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