大豊インターチェンジにて
「ああっ!ちょっと止まって!カメラの設定がっ!」
「無理よ、何言いゆうが。あんたええカメラ持っちょっても無益やね!」
「設定が料理撮る設定に…」
「ええき、はよ撮り!」
「ホワイトバランスがちょっと…」
「ああ、もう!通りすぎるで…!」
『大豊』と書かれた料金所の上の看板に向け、慌ててシャッターを切る竜一。ETCの時代。妻が運転する車は竜一と娘を乗せ、数秒後には『大豊インターチェンジ』を颯爽と駆け抜ける。
始まろうとしていた……。
空前絶後の……。
嶺北地域、半日旅が……!
(*「嶺北」の読みは「れいほく」)
大豊ICを降りて西進。本山町をまたぎ、土佐町へ
「相変わらず、景色いいなぁ・・・」
「田舎やけど、おもな道は広くてえいんよね。嶺北って…」
そのとき本山町唯一のうどん店『繁じ(はんじ)』の店先を通過。
おっ!
「『繁じ』、外で人が待ちゆう!しばらく来ないあいだに『繁じ』は行列のできる人気店になっとった!すごいな、おい…」
日頃から様々なうどん店の店先を通過するたびに、客入り状況を確認している竜一。
感極まる。
「開店前から勝手に下見に来たりして、勝手に注目していたお店だけに嬉しい。2時で閉店やろ?その2時にもうなるのに、あの客入り。すごい。俺泣きそう……」
やがて目の前に現る、四国の水がめ。
でかっ!
早明浦(さめうら)ダム、相変わらずデカい!
「まあ小さくなってたら、困るわな…」
「そうやね」
土佐町青少年等の家「さめうら荘」
ここで昼食。
四国の水がめ『早明浦ダム』のダム湖のほとりに建つ『さめうら荘』。
「失礼な話、たぶんガラガラだろう、と思っていたら…」
めっちゃ客いる!
午後2時で、7割の席が埋まっている店内。
「周囲にはダムと山しかないような、へんぴな場所にあるのに、普通に人気店やんけ!」
「美味しいがやろうかね?」
「わからんけど、あえて夜に来たいような場所やね。周り真っ暗やろうし…」
土佐あかうし焼肉定食(1080円)
「『土佐あかうし』の焼肉が1080円って安いで!コスパええわ…。見た目以上に肉いっぱい入ってるよ!これで1080円とは…!あかうしで1080円で…?」
「わかったき。1080円1080円って、あんたクドイき!」
「はい」
記念撮影!
「いやぁ、いいねぇ。この風光明媚な感じが」
そのとき駐車場の茂みで「ガサガサッ」と音が聞こえる。
「えっ…!?なにっ…!?」慌てる妻。
「ああ、鳥さんよ、鳥さん。ほらほら小鳥さんおる」
▼『さめうら荘』の詳細記事はコチラ
(【嶺北】土佐町「さめうら荘」メニューに発見!土佐あかうし焼肉定食)
ここまで来たからには、早明浦ダムを見ていこう!
早明浦ダム
うわっ!めっちゃ放水してはる……!
数年ぶりに訪れた『早明浦ダム』。
でかっ!
▲ 本山町方面
▲ ダム湖方面
たっかぁぁぁ……!
「足がすくむ……!」
とんでもない高さやっ!
ダムの中間に、土佐町と本山町の境がある。
▲ 画像 = 半分「土佐町」で、半分「本山町」にいる人
(* 若干、本山町に入りすぎたね。7割本山町におるわ)
「早明浦ダム」の高さは「高知城」の約6倍
「そんなにある?高知城もそれほど小さくはないよ?石積みのけたらそんなもんかな?」
「そんなもんやない?知らんけど」
この嶺北地域日帰り…というよりも、半日旅。最大の目的が「川」。
すべては竜一の、この一言から始まっている。
「本山の『汗見川』っていう川、行ってみたいんよね…」
見やる!早明浦ダムのほとりの「嶺北地区案内板」!
「ここから汗見川に行くにはどうすれば…。どうすればいい……!」
ぬっ?
「ダムの上の道を向こう側…本山町の方向に行けばいい感じ?」
「大丈夫かな?道細そうやけど……」
ていうか、さっきの『さめうら荘』……。
「やすらぎゾーン」やったの?
そのとき妻。
「ミルキー風呂入りたかったな…」
「娘がもうちょっと大きくならんと、大浴場はキツいな…」
「温泉行きたいなぁ……」
「ねえ………」
早明浦ダムの上の道を通って、汗見川を目指す
ちょっ!圧倒的狭小道路やで…!
「車1台やっと通れるくらいの道幅やん!」
しかも!
工事中につき、本来の道は通行不能。
「ええっ!こんな話ある…?」
「ああ、けど"迂回路"あるみたいやから大丈夫……」
って。
こんな道、迂回できんわ!
よりによって、大きめのSUV車に乗って来ていた竜一。
「この車でこんな道行ったら、かなりの確率で大変な事故を巻き起こすで!奥のほうとか暗がりこんでるもん……」
やめよう。
「汗見川に行く道はここだけやない。別のルートでも行けるはずや」
急遽、元来た道を『早明浦ダム』へ引き返し、ほかの道から汗見川を目指す。
汗見川、到着
「これが汗見川!噂通り、水が綺麗や……」
まあ、周りの崖とか普通に崩れてるけどね。
衝撃シーン
「さっきの道の通行止めって、この崖崩れのせいやったんかな…」
そのとき妻。
「私こわい……」
降車、拒否。
娘も車中で寝てしまったため、竜一ひとり、汗見川見学。
「水めっちゃ綺麗やな…。ちょっと緑がかって、幻想的な色してる…」
汗見川に沿って北上する道を行くと、愛媛県に出られるらしいが、道幅はかなり狭い。
「この道を行くなら、軽自動車で来たいところ。もっとも、わざわざ通りたい道ではないけれど……」
山に囲まれた汗見川周辺だが、民家は意外と多い。道端では近所のかたと思われる、おじさんたちが数人集まって談笑されていた。
せっかく!ゆえに記念撮影!
▲ タイトル「汗見川で、汗を掻いた人」
まとめ
- 『さめうら荘』は人気店
- 早明浦ダムの上から本山町方向へ続く道は現在「通行止め」につき、行かないほうがいい
- 一応、迂回路はある
- だが迂回路の道幅はとても狭く、名言「こんな道、迂回できんわ!」が飛び出すこと必至
- 汗見川方面も途中から道が狭いため、軽自動車で行くのが無難