『第2話-1を読む』 少し奥に進んだところに数人のおばちゃんがいて、麺が入った器をテーブルの上にたくさん並べている。 そのさらに奥に、大きな釜があった。 釜からは白い湯気が温泉みたいに濛々と立ち昇っている。 「すごいねぇ…」 ご家庭ではなかなか見れない、迫力の光景に圧倒される竜一。 なんか香川っぽい…! 「竜ちゃん……!」 嫁の声で我に帰った。 眼下のテーブルを見ると、すでにうどんに出汁が注がれた器が4つ用意されていた。 先にテーブルを確保してくれていたお父さんとお母さんの元へ、4つのうどんを載せた盆を持 ...