今年も夏の夜の物部へ向けて、車を走らせていた。
「今年は・・・雨・・・降っていないといいけどなぁ・・・!」
元来の出不精で、
うどんと仕事以外では極力家から出たくないと思っている竜一。
無論、夏祭りにもあまり行かない。
だが、香美市物部町で毎年8月中旬に開催される『奥物部湖湖水祭』
これだけは別で、2008年、2010年と、近年よく参加している。
(2010年に参加したときの記事はコチラっ・・・! → 『奥物部湖湖水祭』)
その理由は、花火の美しさ。
田舎の真っ暗なダム湖の空に打ち上がる、
花火の鮮やかな色合い、音、迫力。
上がる数こそ少ないものの、
一発一発の魅力、存在感が段違いで感動的なのだ。
物部入りした私は例年のように、
会場から少し離れた位置にある臨時駐車場に車を停めて、
シャトルバスに乗って会場を目指そうとしていたのだけれど、
今年は交通整理が上手く行っていないのか、どういうわけか、
臨時駐車場から会場に通じる道路が、やけに渋滞していた。
「シャトルバスが来ても・・・この分だとジリジリ動く感じで・・・!
なかなか動けないかもしれません・・・!」
たくさんの人が待つ、
シャトルバスの停留所にいた係りのおじさんが、そう言う。
<これは・・・歩いた方が早いかもしれねぇなぁ・・・!>
シャトルバスを待つか、歩くか、少し迷ったけれど、
会場がそんなに離れた距離じゃないことは分かっていたし、
なにより、『待てない高知県民』の気質がこの局面で出てしまって、
結局、歩くことにした。
歩く選択をした人は他にも結構いて、
みんなで歩道をゾロゾロと歩いた。
その時、雨は降っていなかったのだけれど、
路面は濡れていて、ついさっきまで雨が降っていたことが分かる。
<この時期の物部は・・・!
夕方になると大抵降ってんなぁ・・・!>
自分の中で夏の物部といえば、
『頻繁に夕立が降る』というイメージが強い。
思えば、去年の湖水祭も雨が降っていた。
「テクテクテクテク・・・!」
歩く内、いつしか私の脳内では前川清が再生されていた。
♪ あぁあぁー物部ぇわぁー今年もぉー雨ぇーだぁったぁー♪
好きです、前川さん☆
今年も雨のイメージを裏切らない物部。
物部らしさに、なんだか嬉しいような、愛おしいような気持ちを覚えた。
(後編へ続く・・・!)
『奥物部湖湖水祭2011 後編/熱狂の物部とタヌキ』