昨年のオープン直後に行って以来、
15ヶ月ぶりに訪ねた「浜心うどん」で、
浜心本来の麺線を堪能した日。
私は、アルデンテの呪縛に絡め取られていた。
手の指の先から足の指先まで、体中が熱かった。
"浜心うどん"を取り込んでもなお、欲しかった。
あの白く美しい麺が・・・。
<11月・・・丸々1ヶ月・・・!
生姜の収穫で、どれだけうどんを渇望していたことか・・・!
この遇機・・・!ハシゴうどん・・・やらなきゃ嘘だろっ・・・!>
1日2試合・・・!
ダブルヘッダーだっ・・・!
『手打生そば・うどん 信州庵』
高知駅に程近いその店は、
以前に訪ねたときと変わらず、
老舗ならではの風格を漂わせて佇んでいた。
ここで、おさらいをしておこう・・・!
信州庵の駐車場の入口は、信州庵の南東、
「きゃべつ畑」という名のお好み焼屋さんの向かって右側にある。
そこから入って左に折れたところ。
「きゃべつ畑」さんの店舗の裏。
3番と5番・・・3番と5番である・・・!
一見、駐車場が無さそうに見える店構えだが、実は有る。
「能ある鷹は爪を隠す」
というように・・・。
饂飩ある信州庵は、
駐車場を隠しているのである。
<さっきが"醤油"だったから・・・!
今度は、かけ出汁が入ったうどんにしてみようか・・・!>
入口近くのテーブル席に、
ひとり腰を下ろしてメニューを見やる。
<よくよく考えてみると・・・!
信州庵って・・・"そば"がメインなのか・・・!
だって信州庵の"信州"って・・・"信州そば"で有名な、あの信州だろ・・・?>
"うどん"と"そば"の両方を提供されている信州庵。
注意深く見てみると、
メニューも店の看板も、「そば・うどん」という具合に、
「そば」の表記が、必ず「うどん」より先になっている。
<店の名前からして・・・主体は"そば"・・・!
なのに俺は・・・そんなことにも気が付かなかった・・・!
きっと・・・もう・・・脳ミソがうどんになっちまってるんだっ・・・!>
「きつね」「わかめ」「おぼろ」「月見」
などと書かれたメニューは、"うどん"と"そば"兼用。
たとえば、「きつね」ならば、
「きつねうどん」・・・あるいは「きつねそば」
どちらでも選択可能、というわけである。
<じゃあ・・・これって・・・!
にしんうどんでも通るのかっ・・・!>
メニューには、そば屋さんではお馴染みの、
「にしん」の記載もあった。
しかし、「にしんそば」とは書かれていない。
「にしん」と書かれている。
"うどん"と"そば"兼用の欄に、
「きつね」や「わかめ」と同じようにして書かれている。
うどんの上に、にしんが丸々一匹鎮座する。
そんな迫力の光景を想像しただけで、
筆舌に尽くしがたいほどワクワクした。
けれども・・・。
<にしんうどんだけは、食べちゃダメっ・・・!
それを食べたら俺はもう・・・!>
このめくるめく・・・!
"ファイナル・うどん・ファンタジー"における・・・!
ある種のエンディングを見ちまうッ・・・!
私は、うどんを巡る果てなき旅を、
まだ終わらせる気にはなれなかった。
「す・・・すいませぇーん・・・!」
店のオバチャンを呼んだ。
「お決まりですか・・・?」
私は、"にしんうどん"への未練を、
振り払うように言った。
「肉うどんをっ・・・!」
『肉うどん』
ごはん付きっ・・・!
<漬物まで付いてる・・・!
ありがたいっ・・・漬物さえあれば・・・!
うどん・・・3合は食べれる・・・!>
湖面に敷き詰められた・・・!
肉の絨毯っ・・・!
<力強い歯応え・・・!
舌触りがイイっ・・・フルッフルッしてるっ・・・!>
若干、幅広の麺。
<ふにゅっふにゅっ・・・!>
伸びてはいけないので、
先にあらかた麺を食べてから、
ご飯と漬物をいただく。
かけ出汁を、味噌汁代わりに。
<うわぁっ・・・!
ドンドン俺に・・・日本が染みてくる・・・!>
ごはんムシャムシャ。
たくあんポリポリ。
かけ出汁ズズズッ・・・!
結果。
悶絶っ・・・!
◆ 手打生そば・うどん 信州庵
(高知市北本町1丁目6−11)
営業時間/11時~16時(土曜は14時30分まで)
定休日/日曜・祝日
営業形態/一般店
駐車場/2台
『信州庵』の場所はココっ・・・!