住宅街を抜けると……
そこには畑が広がっていた……。
「こんなところに飲食店があるのだろうか」
疑心暗鬼しながら車を走らせていると、道端に設置された「南国農家」と書かれた看板が目に入った。
「間違えてはいない。この先に必ずある……」
未知なる農家レストランが……!
南国農家の場所はわかりづらいため、ナビ必須
南国農家
ここが南国農家……。
「いろいろなお店を食べ歩いてきたけれど、久しぶりに驚く立地のお店に出会った」
ナビがなしでは簡単にたどり着けない。
たどり着けるはずもない圧倒的立地……!
車から降りて店内へと歩く。
「張り紙がある……」
その張り紙を見て、一寸ドキッとした。
ぬっ……!
変則営業……!
どうやら「南国農家」は毎日営業されているわけではなく、営業日を限定して営まれているようだ。
「きょう何日だっけ?」
訪れたその日は、3月20日。
セーフ!セーフ!
圧倒的!セーフ!
「こういう場合、いつも定休日に当たるのに、なんとまさかの営業日!」
胸をなでおろして、圧倒的入店!
南国農家の店内は、広い座敷あり
南国農家の店内
「赤ちゃん連れでも居心地よさそうだ」
南国農家のメニュー
「南国農家」のランチメニューは3択。
南国農家のメニュー
- 卵かけごはんセット(卵かけごはん、おかず6品、お汁のセット)
- Aセット(ごはん、おかず6品、お汁、天ぷら、コーヒーor紅茶)
- Bセット(Aセットにデザートと酵素ジュースが付く)
「AセットやBセットにすれば、天ぷらが付くけれど、卵かけごはんじゃなくなるのか……」
悩んでいたそのとき、メニューの記載に気づく。
+100円で卵かけごはんに変更可能!
よもやの画期的システム!
「これならAセットやBセットにしても、卵かけごはんが食べられる」
卵かけごはんセットも"限定5食"とされていたことから考えて……
営業日までに、ニワトリが5個程度しか卵を産まないってことか?
ニコニコした笑顔が素敵な、お店のおばちゃんに注文する。
「すいません、Aセットのごはんを卵かけごはんでお願いします」
「Aセットを卵かけごはんですねぇ」ニコニコ微笑みながら厨房に伝えに行ったおばちゃん。
すぐに戻ってきて、土佐弁のイントネーションで言う。
「卵かけごはんにしたら、100円プラスになりますが、えいですかねぇ?」
「はい、大丈夫です」
南国農家のランチ Aセット + 卵かけごはん
Aセット+卵かけごはん
「天ぷら、いま揚げよりますから、ちょっと待ってくださいね」
「はい」
天ぷらを待つあいだに……
ごはんに卵を割る。
地鶏の卵かけごはん
美しい……。
卵かけごはんは、鶏と人が生み出した芸術だ。
そうしていると、おばちゃんがニコニコ微笑みながら天ぷらを持ってきてくれる。
「お待たせしました。天ぷらです」
野菜天ぷら+サラダ+手作りゼリー
天ぷら
「これ何のゼリーですか?」
そう聞くと、おばちゃんはまた微笑む。
「ムラサキイモのゼリーです」
ムラサキイモ……!
「なるほどなぁ……」
地鶏の卵かけごはんに、自家製タレをかけて食べる!
卵かけごはんにかけるタレは、ただの醤油ではない。
「"もろみ"の感じがする。ニンニクも入っている雰囲気」
いわゆる"普通の卵かけごはん"と、まったく違う。
「まろやかだ。尖っていない。下流の川石みたいに丸。味が丸い」
全部、野菜。
「南国農家」のランチに、肉や魚は一切使用されていない。
ベジタリアンのかたでも食べられる。
「料理が野菜中心の構成になっているお店はあるけれど、野菜のみでこれほどの品数を提供してくれるお店は初めてだ」
天ぷらには、土佐にんにく塩
「天ぷらは、これ付けて食べてください」
お店のおばちゃんがそう言った通りに、「土佐にんにく塩」を付けて天ぷらを食べる。
シイタケ、プリップリ。
だいぶ、おいしい。
「これほどおいしいシイタケ、なかなかない」
シイタケ界のプリンセス・プリンセスだ。
キノコもあれば、葉物も、根菜もある。
「20年くらい若返りそう」
香南市特産のニラ、ポテサラには春が旬のスナップエンドウも入る
「焼肉のタレ?そんな味。ニンニクのよい香りがする」
"自家製の焼肉のタレ"を絡めてあるのだと、あとから知った。
ポテサラにもスナップエンドウ。
「天ぷらの皿に盛られていたサラダにも入っていたスナップエンドウが、ポテサラにも入っている」
ポテサラには、鞘付きのスナップエンドウと、鞘を外されたスナップエンドウ、両方が混在する。
「鞘付きでも、鞘なしでも、食感が"エエンドウ"……なんてね」
「意外とムラサキイモがガツン!とは来ない。ほのかな甘み」
自然の甘み。奄美大島。
食後のコーヒーの付け合わせには、なんと黒ニンニク!
「食後のコーヒーです」とコーヒーを持ってきてくれた、お店のおばちゃん。
テーブルにコーヒーを置いた直後に、小皿を差し出す。
「自家製の黒ニンニクですき、一緒に食べてください」
「あ、はい……」と平然を装いながらも内心では動揺していた。
黒ニンニク!?
コーヒーの付け合わせに、黒ニンニク!?
これまでに幾多の飲食店で、食後のコーヒーを提供していただいた。
けれども………
「コーヒーの付け合わせにちょっとしたお菓子などではなく、黒ニンニクが来たのは初めてだ」
コーヒーに黒ニンニクって合うのかな?
黒ニンニクを食べること自体が初めてだ。
「通常のニンニクはウチの菜園でも栽培しているけれど、黒ニンニクは食べたことがない」
黒ニンニクの皮を剥くと……
黒い……!
これは黒い……!
黒ニンニクだから当たり前だけれど、それにしても黒い。
食べてみる。
「ぬっ!普通のニンニクみたいに弾かない、辛くない!どちらかといえば甘い!」
匂いも強くない。
「フワッフワで、ヨウカンみたいな食感。ただクセは結構ある。焼酎のつまみにしたい気もする味」
1個食べただけで、体がポッカポカ!
熱が!体中に循環していく感覚……!
どこまでも走り出せそう!
いまの私は500kgの競走馬だ……!
「家まで走って帰れちゃいそう!」
南国農家は、高知有数の野菜レストランです
野菜のみで構成されていることを忘れるほどの満足感。
「トドメの黒ニンニクで20年、いや30年若返っちゃったな……」
南国農家の店舗情報
所在地 | 高知県香南市野市町母代寺132(地図) *母代寺で"ぼだいじ"と読みます |
営業時間 | 11:00〜14:00(売切れ次第終了) |
定休日 | 変則営業(公式Facebookで確認。あるいは下記電話番号から直接お問い合わせされるのが確実です) |
電話番号 | 0887-56-1377 |
駐車場 | 有 |
店内 | ■カウンター席/有 ■テーブル席/有 ■座敷/有(4人がけ3卓) |