ゴッホよりぃ〜普通に〜
ラーメンがすっき〜!
初日には、高名な芸人・永野さんもステージに登場したイベント「こうちラーメン博」が高知市中央公園で開催されています。
こうちラーメン博とは
第1回こうちラーメン博の開催期間は、2019年3月21日(木・祝)〜25日(月)までの5日間。時間は午前10時〜午後8時まで。(*最終日のみ午後5時まで)
第1回こうちラーメン博の出店リスト
出店リストがすごい。
せたが屋(東京)、ど・みそ(東京)、龍の家(福岡)、若武者(福島)、宗(東京)など……
カップ麺や袋麺になったお店多数!
メーカーも売れる見込みのない商品は作らないですから、誰しもが認める実力がない限り、なかなか簡単にカップ麺にはなれません。
そんな凄腕のラーメン屋さんが一堂に会する、とんでもないイベント「こうちラーメン博」。
こうちラーメン博、ラーメンの値段は750円均一(前売り券を購入済みなら700円)
ラーメンの値段
前売り券を購入したほうが、1杯につき50円お得ですが……
スウィーツ&グルメ祭りも同時開催中!
インスタ映えしそうなスイーツ!
おいしそうなグルメも盛りだくさん!
生ビールなどのアルコール飲料も販売されています。
高知市中央公園内の出店ブースの配置
▲ 会場内の出店ブースの配置は上記の通り。
食べ終わった容器は「エコステーション」に持っていけば処理してくれます。
第1回こうちラーメン博の個人的口コミ!おすすめのお店は?
時間に融通がきく職業柄、開催2日目の平日金曜日の13時すぎを狙って行ったのだが、会場となった高知市中央公園は……
人!人!人!
多数の人々で賑わっていた。
春休み期間中とあり、高校生くらいの年代の子も多い。
「おっととっと人だぜ……」
"♪おっととっと夏だぜ"みたいに口ずさんだものの、この名曲をご記憶のかたが現代にどれほど残っているのか私にはわからない。
そしてどのラーメンを食べればいいのか、それすらも私にはわからない。
食べたいラーメンを食べればいいじゃないか、と人は言うだろう。
しかし、すべてのラーメンが日本トップクラスのラーメンなのだ。
決められるわけなんてないさ……。
750円の当日券を2枚ほど購入したのち、私はモサッと立ち尽くしていた。
ラーメンの"猛者"集いし公園で。
(猛者とモサッをかけても、そんなに面白くない)
「どうせなら食べたことがないラーメンを食べよう」
ふと、そんな思考が脳裏をよぎった。
私はこれまでに高知では、正気の沙汰とは思えないほど大量のラーメンを、むしろ正気を失って食べてきた。
けれども、富山県のご当地ラーメン「富山ブラック」は食べたことがない。
……正確には、"カップラーメンの富山ブラック"は食べたことがあるが、お店で提供される富山ブラックは食べたことがない。
「じゃあ富山いこう」
初手は富山ブラックだ。
えびすこ 俺の富山ブラック(富山県)
はじめまして、えびすこさん。
"俺の富山ブラック"と大きく書かれた「えびすこ」ブースに向かって一礼して、列の最後尾に付く。
30〜40人ほどが並んでいる。
「いったいどれほど待たなければならないのか……」
途方に暮れたけれど、仕方がない。
人影に身を潜めて、コソコソと順番が来るのを待った。
- 想像以上に回転が早い
体感時間10分ほどで順番がまわってきた。
各ブースでトッピングも用意されている
私のカモがいる!
興奮を隠せなかった。
私はカモを見ると、正気を失うほどカモが好きなのだ。
……正確には、カモというより"カモ肉"が大好き。
「えびすこ」では、+300円でカモ肉8枚のトッピングが可能。
カモ肉をトッピングすると、合計1,050円の高級ラーメンになってしまうが……。
ダメっ……!
カモ肉8枚の誘惑に勝てない。
4枚で300円ならいらないけれど、8枚ならいる。
……むしろ必要。
私にはカモが必要なんです!
いまカモを食べないで、いつ食べるんですか!
クリスマスですか……!
クリスマスは七面鳥でしょう!
それに………
ラーメン×カモ肉の組み合わせは珍しい。
少なくとも高知のラーメン屋さんでは見たことがない。
だったら……
ここでカモを食べないで、いつ食べるんだ。
クリスマスですか……?
いまでしょう!!
店員さんに食券を渡しながら言う。
「あ、あの……すいません。カモトッピングで」
俺の富山ブラックに、カモをトッピングして木陰で食べる
俺の富山ブラック
富山ブラックとカモよ、カモーン。
会場中央の飲食スペースは満席だったが、北西に設けられた飲食スペースが比較的空いていて、運よく座れた。
カモが、素敵カモ。
「カモとうどんとラーメンは、世界でもトップクラスに素敵なんだよなぁ」
これが富山ブラック。
真っ黒なスープに目を見張る。
「なんでも、もともとは汗をかく肉体労働者のために、わざと醤油を濃くして塩分濃度の高いラーメンを作ったのが起源だとか」
粗挽き黒コショウがたっぷり振られている。
「うどんならまだしも、ラーメンに揚げ玉がのっているのは珍しい……」
カモと一緒に麺いきます。
「見た目の色ほど、味は濃くない……!」
黒コショウが刺激的。
「ビールに合いそうな味だ。カモもいい感じにカモーンしてくる……」
麺処 若武者 濃厚福島鶏白湯 極上トロ豚チャーシュー麺(福島県)
濃厚福島鶏白湯
2杯目は、福島の白湯ラーメン。
「カモと同じくらい、白湯ラーメンも好きだ」
具材のフライドオニオンが特徴的。
「以前食べた、淡路島のタマネギラーメンにもフライドオニオンが入ってたのを思い出す構成」
福島のラーメンにも入ってます、フライドオニオン。
チャーシューびろーん。
「ワイドタイプのチャーシューだ」
白濁スープが言っている。
あたしはおいしいのよと言っている。
「醤油ラーメン」や、さっきの「富山ブラック」なんて聞くと、男性的な印象を受ける。
でも白湯ラーメンって、なんだか女性的な印象、ありませんか?
謎の質問はさておき………。
パチッと割り箸を二つにする音を合図に始まる、ラーメン協奏曲。
「食べよう、食べよう、ラーメン食べよう」
世界のラーメン好きよ見てくれ!
これが東北福島の鶏塩白湯ラーメンだ!
「麺処 若武者」さんが奏でるラーメン協奏曲。
それは、まろやかさと塩気の協奏曲。
「最初はよくある白湯ラーメンのように、"まろやかだ"と思う。しかしそのあとに気づく。強めの塩気」
塩気がうまい。
しょっぱい、塩辛い、でもまろやか。
こんなラーメンなかなかない。
フライドオニオンを絡めて食べると、さらに印象が激変。
チェンジ・ザ・ワールド。
フライドオニオン独特の香ばしい匂いが鼻に抜けると共に、世界が変わる。
先程までとは、また違った種類のおいしさが醸されるのだ。
これには「チェンジ・ザ・ワールド」といえばのエリック・クラプトンも驚くに違いない。
- まろやかさと、塩気とまろやかさ
麺処 若武者の白湯ラーメンは、鶏のポタージュですよ。
もう1杯食べようかと迷っていると、興味深い話が聞こえてきた
飲食スペースに置かれたパイプ椅子に腰をかけて、「麺処 若武者」の鶏塩白湯ラーメンを食べながら考えていた。
「まだもう1杯くらい食べられる……でも、そのあと1杯が迷うんだよなぁ」
3杯目のラーメンをどれにしようか、思案していた。
そのとき後ろの席に座っていた、おじさんたちの会話が聞こえてくる。
「おーい、だいぶ食べたか?」
「食べたも何も、おらぁ朝10時からきて、ずっと食べて飲んで、食べて飲んでしよらぁよ」
……と言うおじさんの手には、アルコール度数9度の缶チューハイが握られていた。
「10時から!?」あとから来た模様のもう一人のおじさんは笑いながら尋ねる。「何が一番うまかったぜ?」
「昨日と今日で大体全部食べたけんど、1番は富山の富山ブラック」
(おぉっ!私が最初に食べた富山ブラック!……って昨日も来てたのか!)
「その次は名古屋コーチンのラーメンや」
(名古屋コーチン!じゃあ3杯目は、おじさんのおすすめに従って、名古屋コーチンのラーメンだ!)
すると、あとから来たおじさんが笑って言う。
「ホントかや?酔うて、味らぁロクにわかりやせんろうがや」
そう聞かれたおじさんも笑う。
「それはあるかもしれん」
あるんかーい!
思わず心の中でツッコミを入れてしまったが、この局面……
予期せぬ流れに身を任せても面白い。
世界が麺で満ちる時 名古屋コーチン黄金醤油ラーメン(大阪府)
名古屋コーチン黄金醤油ラーメン
世界が麺で満ちる時。
「なんて特徴的な店名なのだろう」
黄金色のスープ。
「ラーメンはもとより、LEDにもあまりないような色だ」
ぐごっ……!
ぐごごごご!
(* これは箸で麺を持ち上げている音です)
アッと驚く平打ち麺。
(* 画像では分かりづらいですが……)
「平打ち麺が入っていると思わずに取り出すと、ビックリする」
びっくりドンキ。
ならぬ、びっくりコーチン。
個人的おすすめは、麺処 若武者の「濃厚福島鶏白湯ラーメン」
3種類を食べた中で、一番おいしく感じたのは「麺処 若武者」の鶏塩白湯ラーメン。
もしかすると、あの塩気には私が感極まった涙も入っていたのかもしれません。
"私が見たそのときの状況"ではありますが、会場の行列がもっとも長かったのは、福岡・豚骨ラーメンの「龍の家(たつのや)」さん。
平日金曜日だったことが大きいですが、午後3時をすぎると行列がずいぶん解消されて、半数ほどの店舗は並ばずに買える状態でした。
土日でも、午後12時よりは午後3時のほうがいくらかは空いているはずで、昼食どきを外すことが混雑を避ける一番の攻略法です。