オープンしたことを知って以来、
なかなか来られなかった『ラーメン家ひろき』に、
ついに襲来した、超時空☆農家メイド☆竜一。
スターを得て無敵モードに突入した竜一は、
ひろきのラーメンをエピソード3にして、ようやく食べ始めた・・・。
携帯をいじくり回す竜一。
背後に感じる、おばちゃんの気配。
「はい。塩バターラーメンねぇ」
来たっ・・・!
コイツが俺の塩バター・・・!
『塩バターラーメン(大盛)』
やっと・・・逢えたね・・・。
恐ろしく低い声で、
塩バターに声をかける竜一。
ぐゎしっ・・・!
(箸で豪快に挟んだ時の効果音です)
瞬間。
フワッと漂う、バターの香り。
その香りは、竜一の嗅覚を敏感に刺激して、
脳天を直撃する・・・!
香りの正体・・・!
それは・・・!
「アンパンマン・・・!
新しい顔が焼けたわよっ・・・!」
「おやおや・・・バタ子さん・・・!
それはワシが言うセリフじゃよ・・・!」
「あら・・・ごめん・・・ジャムおじさん・・・
台本間違えちゃった・・・!」
「ううん・・・全然気にしてないから大丈夫じゃよ・・・
ふぉっふぉっふぉ・・・!」
獰猛なる・・・!
バタ子さん・・・!
麺、スープ共に、
言ってしまえば、"高知ラーメン"。
しかし、奇を衒っていない分、
暴投しない味で、全体的な価格の安さも魅力的。
『焼ギョーザ』
食べ終えて席を立ち、勘定を払おうために、
上着のポケットから財布を取り出そうとした時。
事件、
起きる。
あれ・・・。
あれれ・・・。
変わる、表情。
焦る、竜一。
あかーん・・・!
どうしよう・・・!
財布が無いっ・・・!
心の中で、
高田延彦のように、叫んだ。
俺の財布の中の財布っ・・・!
出てこいやぁ・・・!
しかし、
出て来ない。
困った・・・。
その時、
竜一の脳に、電流走る。
はっ・・・!
そう言えば・・・俺・・・!
車の中で財布を出して・・・!
様子の可笑しい竜一に、
何事かとキョトンとしているおばちゃんに断る。
「あ・・・あの・・・!
車に財布忘れたんで取って来ていいですか・・・?」
すると、おばちゃん。
「いぃいぃ・・・構いませんよ・・・!
あぁ・・・!雨が降りゆうき・・・!
濡れたらいかんき・・・あっちから出たらえいですよ・・・!」
そう言って、厨房の方に案内してくれる。
ついて行くと、厨房から裏の駐車場に直結するドアを開けてくれた。
圧倒的・・・優しさ・・・!
感謝・・・マジ深謝・・・!
何かを作っている店主の脇を縫い、
秘密のドアを使って、厨房から、裏の駐車場に出る。
「バタン!」と音を立てて閉まるドア。
振り返ると、おばちゃんは店内に戻ったようで、もういない。
駐車場には、来た時と変わらない様子で私の高級軽自動車が停まっている。
その中にあった財布を、速やかに回収した。
心の中で流れまくる、
サザエさんのテーマソング。
"♪ ラーメン食おうと街まで~出かけたが~
財布を忘れて~愉快なサザ~エさん ♪"
全然・・・愉快じゃねぇ・・・!
店内に帰って、
おばちゃんに「すいません・・・」
と蚊の羽音ほどの声で苦笑しながら伝える。
すると、おばちゃんは「いいえいいえ」とだけ言って、
何事も無かったかのように、レジを弾き始めた。
おばちゃん・・・俺が食い逃げするとは思わなかったのかい・・・?
今・・・!やろうとも思えば俺・・・逃げれたぜ・・・!?
お金を渡しながら、心の中でそう問うた。
それから店を後にして暫くしても、
思いは残って、今度は自分の心に問い続けた。
なぜ、おばちゃんも店主も、
俺を信頼したのか・・・。
田舎のノリと言ってしまえば、それまでだけど、
『ラーメン家ひろき』には、
なにか忘れていたものが存在している気がしたのだった。
◆ ラーメン家 ひろき
営業時間/11時~20時
定休日/月曜日
駐車場/有(店の裏)
(塩バターラーメン600円、塩ラーメン500円、しょうゆラーメン500円、みそラーメン550円、
みそカツラーメン650円、焼ギョーザ350円、揚ギョーザ350円など。大盛100円増)
『ラーメン家ひろき』の場所はココ!
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