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一面に広がるあんかけの湖と対峙して、言い聞かせる。
<イケる・・・今の俺なら十中八九イケる・・・!
水だけは飲むなよ・・・!水だけは・・・!
飲んだら最後・・・一気に形勢逆転・・・コッチが潰されるっ・・・!>
水・・・それはお腹が張ってくると、
ついつい手を伸ばしたくなるものだけれど、実は罠。
飲むと急激にお腹が張り、すぐさま満腹状態に陥る、
フードファイトをする上では、非常に危険な存在、言うなれば・・・。
悪魔の水・・・!
いざ食べるべく箸を構えた竜一は、
この一杯の主役であるカキを初手からほじくり出す。
<大きい・・・!
こだわって大粒のカキのみを使用していると"ほっとこうち"にも書いてあったけれど・・・!
それにしても大きい・・・!>
曲線が・・・誘ってる・・・!
二の矢は、やはり麺である。
醤油うどんなんか、うどんに醤油をかけただけの一品であるように、
麺喰いは他のものなんかワリとどうでも良くて、眼中の99%は、やはり麺なのである。
<ぬおっ・・・気のせいか・・・!?
緑がかっている・・・!>
前に来たときは普通の黄色いストレート麺だった気がするけれど、
そのストレート具合と太さは同じに見えるものの、色が違って見える。
<麺自体からナニカの味がしているようにも感じるが・・・!
あんかけの味が覆いかぶさって来て・・・わかんねぇ・・・!>
しかしイイな・・・あんかけ・・・!
<濃厚に絡み付く・・・舌に・・・喉に・・・胃に・・・!
温まる・・・体が内々から温まる・・・!!>
体勢を整えて、いよいよカキ。
<うわぁぁぁ・・・!
ブルンブルンっ・・・旨いっ・・・!>
中から染み出たカキのエキスが・・・!
外側に纏わり付いたあんかけと交じり合って生み出す・・・!
圧倒的・・・!
攻撃力っ・・・!
<カキで良かった・・・!
今宵カキに出逢えて本当に良かった・・・!>
幸せっ・・・!
幸せっ・・・悦びっ・・・!
だが、幸せは長くは続かない。
食べても食べても減らない、麺。
食べても食べても減らない、あんかけ。
<器の底から湧いてきてんじゃねぇのか・・・!
麺がっ・・・!あんかけがっ・・・!!>
これでカキが減らなかったら、
それはそれで最高なのだけれど、
カキだけは順調に減っていく・・・。
麺を制圧するまではそれほど時間がかからなかったけれど、
問題は、大量のあんかけ。
あんかけまですべて飲み干さないと、
竜一のフードファイトは完結しない。
<うぉぉぉぉぉぉ・・・!
飲むんだっ・・・飲むんだっ・・・是が非でも・・・!>
竜一・・・!
喰らい付く・・・!
琵琶湖の湖畔に・・・!
<鳳龍菜館に・・・俺は勝つ・・・!>
一気にあんかけを胃へと流し入れて打つ、闘いの終止符。
「ごちそうさまでした・・・!
旨かったよっ・・・!」
空っぽになった琵琶湖の中で、龍が舞っていた。
(※ カキあんかけ麺は冬期限定メニューで、
たしか"3月一杯まで"となっていたと記憶しているので、食べに行かれるかたはお早めに)
◆ 中国家常菜 鳳龍菜館
(高知県香南市野市町西野669-1)
営業時間/11時30分~15時・17時~21時
定休日/毎週木曜日・第3金曜日
駐車場/有(店の前と裏)
(カキあんかけ麺[冬期限定]840円、フライ麺700円、焼ギョウザ[6コ]370円、ミニ炒飯いくらだっけ、
ちゃんぽんセット920円[昼のみ]、担々麺セット950円[昼のみ]など、大盛200円増)
『鳳龍菜館』の場所はココっ・・・!
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