「明日飲みに行きませんか?」
2月のある夜。私はある方にメールを送っていた。
晩酌の焼酎を過度に煽ったせいか、少し酔っていた。
酔いながらも思っていた。
<突然、明日飲みに行かないかとは、あまりにも急か!
でも、こういうのって勢いが大事だろうッ・・・!>
昨年の秋に一緒に飲んでいた際に、
今度一緒に飲みに行こう!と抱き合いながら約束して、
数ヶ月が経とうとしていた。
唐突に勢い付いた、いま彼を誘えなかったら、
一緒に飲みになんて永久に行けない気がした。
翌日。
彼は、待ち合わせ場所に、
私より先に来て待っていてくれた。
私から誘っておいて、
待たせてしまって申し訳なく思った。
けれども、彼は大丈夫!大丈夫!
みたいなことを言いながら笑ってくれた。
彼の名は、ハンドルネームで、
「がちゃ」さん。
「自分的備忘録」という、
麺の話を主としたブログを書いている方だ。
(このときの話をがちゃさん視点で読む)
雨上がり。
人通りの少ない平日の高知市繁華街を、
男2人で歩く。
酒場の看板の光が、
道路の水溜りに反射してキラキラ輝いている。
始まろうとしていた、
僕らの"がちゃ場放浪記"が。
『一軒家』
<看板に"高知名物"って書いてある・・・!>
がちゃさんによると、
"あの"吉田類さんも訪れたことがあるお店らしい。
<前は何度も通ったことがあるけれど、
そんなに有名なお店だったとは・・・!>
入口の戸を、
がちゃさんが開けて中へ入ろうとした。
が。
満席っ!?
<満席か・・・仕方ない・・・出直そう・・・!>
L字型のカウンターのみの店内に、
詰まった人の多さを見て怯んだ。
が。
そのとき!
お店のオバチャンが、
他のお客さんに席を詰めるように言ってくれる。
すると!魔法のように、
ちょうど2人分の席が空いた!
「あぁ・・・すんません・・・」
席を詰めてくれた、隣の熟年の男女に声をかける。
シラフの自分の声が小さすぎて、聞こえているのか不安だ。
ウンウン頷いているので大丈夫だろう・・・。
生で!
乾杯!
大根!
がちゃさんが注文した、大根のおでんを、
私も分けてもらって食べる。
男2人で一つの皿をつつく。
なんかイイ。変な意味じゃなくて。
圧倒的・・・!
揚げ物ッ・・・!
カキフライ!
串フライ盛合せ!
切り替えて!
芋焼酎ロック!
とり足!
「一軒家」の名物だとも聞く一品。
<うぉっ・・・!
味の主張・・・攻撃力が高い・・・!
これは・・・酒が進むぞッッッ・・・!>
昭和にタイムスリップしたかのような、
安らげる店内の空気感。
八代亜紀の舟唄みたいにシミジミ飲む、
オジチャンやオバチャン。
その中に混じって、
僕らは串フライを付き合い始めのカップルのように、
「これイカかなぁ?」「エビやろぉー♪」と言いながら食べた。
(続く・・・!)
『続き!"旬菜よこやま"のエピソードを読む』