夜になると辺りを煌々と照らす店。その店の前を、時々俺は車で通る。 何年ものあいだ、何度も何度も、その店の前を通った。 通る度、目に付く大きな看板。窓からこぼれる柔らかな光。 「一度・・・入ってみたい・・・!」 至極当然の流れでそう思い、ある夜、気が付けば、俺は店前の駐車場に車を停めていた。 『中華料理 鳳来』 少し一階部分が高くなっている。数段の階段の上に入口。 ガラスの向こう側から溢れ出して来る高級感。 <大丈夫か・・・!お・・・おおお・・・俺あんまりお金・・・持ってねぇんだが・・・!> しかし、既に歩 ...