かねてから私がゴリ押ししてやまない土佐山田の『やまいち』のすぐ近くにその店はある。
『兵庫ラーメン山田店』だ。
やまいちに行く度にここの前を通るにも関わらず、入ったことは一度もない。そんな店。
気にはなるものの、中々行く機会がない。
行く機会がないと言うよりも、オブラートに包まずにハッキリと言ってしまうと、基本、うどん派な私は、
「ここに行くくらいならやまいち、あるいは、その先にある『まるしん』へ行った方が・・・！」
という気分にどうしてもなってしまうのであった。
だが、兵庫ラーメンの前を通る度に、「この店の味を体感してみたい」という私の欲求は次第に高まって行く。
しかし、何かこう、絶対にこの店に行ってやるという気分にはならない煮え切らない日々ばかりが過ぎて行ったのだった。
そんなある日、とある中華料理店にラーメンを食べに行ったところが、その店が定休日だったという予期せぬ事態に陥ってしまう。
「ラーメンを食べたいモード」に完全に突入していた私は、その持て余した欲求を満たしてくれる店を脳内で瞬時に選出しようとした。
白羽の矢が立つのに時間はかからなかった。
・・・！そうだ！あの兵庫ラーメンに行ってみよう！
突如として、行きたかったのになかなか行けなかったあの店に行く決心をしたのだった。
兵庫ラーメン山田店に到着した時には、車内の時計が19時20分頃を示していた。
車4台ほどが停められる小さな駐車場には、私の車しか停まっていない。
薄い明かりがこぼれる店内に引き戸を開けて入ると、手前に白髪混じりのオバさん。
カウンターの奥に、これまた白髪混じりのオジさんがいた。
客は誰もいない。
私はカウンターの前のイスに腰掛けると、「メニュー・・・メニュー・・・」と探した。
メニューはカウンターの上部、首が痛くなるほど高い位置に貼られていた。
メニューは結構多い。
だが、基本、後ろにあるテーブル席から見えるように設定されているようで、
左右にとても広く面積を使って貼られている為に、メニューのすべてを見るのが非常に困難だという状況なのだ。
メニューの全容が簡単には把握出来ないというのはこれまでに中々無かった。
ここに来て思わぬ強敵にぶつかってしまった。
メニュー見えねぇｗｗｗ
と思いながらも、正直なところ、なんだかワクワクする。
とりあえずメニューには、味噌、塩、とんこつのラーメンがあるのが見えた。
定かではないけれど、醤油もあったように思う。
他にも、トッピングやサイドメニューも充実している模様。
いかんせん、メニューが見えないのだから、「模様」とか曖昧な表現でしか書くことが出来ない。（笑
カウンター越しに、正面にいたオバさんに注文を伝える。
「みそカツラーメン、大盛りで！」
オバさんの反応が薄い。
ちゃんと聞いてくれたのかと注文しながらも心配になった。
心配になって、言い終わったか終わらないかのタイミングでカウンターの左側の方にいたオジさんに視線を送ってみた。
目が合った瞬間にオジさんが、
「はぁいっ！」
と答えてくれた。
反応の薄かったオバさんもコクッと頷いてくれた。
良かった・・・。
5分ほど待つと、オジさんが、
「はぁいっ！味噌カツラーメン大盛りねぇ～」
と言って、持ってきた。
え・・・。
え・・・。
工工工ｴｴｪｪ(ﾟДﾟ)ｪｪｴｴ工工工
これめっちゃ すり鉢やん！！！
なんだこのド迫力！！
そんな凄いものを出して来ながらも、どや顔ひとつせぬ二人。
私も舐められてはいかんと思い、ポーカーフェイスを装う。
す・・・すすすすり鉢がなんだよ！おおお俺だって家ではいつもすり鉢だからすり鉢なんか慣れてんだよ！！
そして、常日頃からうどんはデフォで3玉を豪語しているデフォ3野郎の私としては、ここで負けるわけには行かない！
負けてらんないのよ、すり鉢なんかにぃぃぃ！！！
というわけで黙々と麺をすすって食べ進み、冬場の農作業では滅多に掻かない汗をダラダラと掻きながらも、終いに一滴残らずスープを飲み干しての完全勝利！
お手合わせありがとうございました！！
麺は昔風のなにか懐かしい雰囲気を持った柔らかい麺で、今風の硬めの麺とは違います。
スープにはニンニクがたくさん入っているようで、ニンニクの香りが刺激的な、馬力が付きそうなスープでした。
◆ 兵庫ラーメン山田店
営業時間 11時30分～15時頃、17時30分～21時頃
定休日 木曜日
駐車場 有（店の向かい側にも有り）
兵庫ラーメン山田店の場所
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