<しもたぁ・・・!
小が・・・これほどまでに小だったとは・・・!>
今から一年半ほど前。
土佐市にある『黒潮うどん』で『しょうゆうどん(小)』を食べながら、
私は、若干の自己嫌悪に陥っていた。
<中乃家との連戦を予定して・・・オーダーした小・・・!
だが・・・!思っていた以上に量が少ねぇ・・・!>
<この量じゃ・・・充分にうどんを堪能をすることが出来ない・・・!
アルデンテの奥底が見え始める前に・・・終了・・・!
想定外とは言え・・・ここまで来て・・・なんというミステイク・・・!>
しかし、その太い麺と弾力は、
月日が経とうとも、私の舌の記憶に焼き付いて離れなかった。
<もう一度・・・食べ改めてみてぇ・・・!
あの・・・!黒光りする店内で・・・!>
その思いは心の片隅に残り続ける。
だが、土佐市は少し遠い。
距離の壁に阻まれて気軽には行けない。
しかし、この思いを晴らさぬ限り、
黒潮うどん麺線を攻めきらない限り、
白い粉中毒としての未来への扉は開けない。
ある晴れた日の朝。
ついに私は決心した。
<行くなら今日だ・・・!
今日なら忌々しい野良仕事も・・・大した用事がねぇし・・・!>
「行くか・・・?」
心の中で竜一Aが竜一Bに語りかける。
すると、竜一Cが間に割って入ってきて答えた。
「行くしかねぇだろ・・・!
今行かなきゃ・・・!あんた・・・!
中毒じゃねぇよ・・・!」
「C・・・!おまえ・・・!」
この時・・・。
バラバラだった3人の竜一の気持ちが・・・
ひとつになった・・・。
一年半・・・抱え続けたモヤモヤ・・・!
今日こそ晴らして・・・突き抜けてやる・・・!
小麦の天上までっ・・・!
こいつは俺達の・・・!
リベンジマッチ・・・!
行くぜ・・・!
高知県中西部・・・土佐市・・・!
黒潮流れしうどん屋へ・・・!
距離の壁、あったはずの土佐市は、
改めて行ってみると意外と近かった。
高知市の土佐道路を抜け、春野店のたも屋の前を通り、
西へスイスイと進行すると、仁淀川をまたぐ橋があり、それを渡るとスグである。
『黒潮うどん』
11時過ぎに到着。
広い駐車場は、まだ空いていた。
「いやぁ・・・先生・・・!
お変わりないようで・・・!」
店前での、店に対する挨拶もソコソコに、入店。
セルフ方式の黒潮うどん。
まず盆を取り、カウンター越しに店員さんに注文する。
この第一段階で、竜一、
いきなりつまづく。
<前回がしょうゆだったから・・・!
今回はぶっかけにしようかと思ったけれど・・・!>
<木札に書かれた『しょうゆ』の文字を見ていると・・・!
なんかこう・・・!無性にムラムラしちまって・・・!
なんていうか・・・しょうゆが・・・食べたくなってきたというか・・・>
熟考する竜一。
カウンター越しに、店員のおばちゃん。
( ゚д゚)ポカーン
<あぁ・・・!おばちゃん待ってる・・・!
早く決めねぇと・・・!>
<んん・・・でもなぁ・・・!
ぐぐぐぐっ・・・!
じゃ・・・!じゃあ・・・!>
「しょ・・・しょうゆの中・・・!」
"竜一のオーダー・・・!
結局・・・前回と同じ・・・!
しょうゆ・・・!"
『この時・・・俺は気付いたんだ・・・!
なんだかんだで・・・!
自分はしょうゆのことが・・・!好きなのだと・・・』
"そして・・・達したトッピングコーナー"
<ゲ・・・!ゲソ天美味そう・・・!>
"ゲソの誘惑に負け・・・取ってしまう・・・!
前回も取った・・・ゲソ天を・・・!"
吸い寄せられるように・・・!
また取ってしまう・・・!!
「これがゲソ天の・・・!
万有引力・・・!」
(後編へ続く・・・!)
後編はコチラっ・・・! → 『黒潮うどん 後編/革命のゲソ天』
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