うどん食堂 ちっ子亭 エピソード3/アルデンテの独創

2011.11.24

  1. TOP >
  2. 高知グルメ >
  3. いの・土佐・越知グルメ >

うどん食堂 ちっ子亭 エピソード3/アルデンテの独創

2011.11.24

『エピソード1を読む』 『エピソード2を読む』 『エピソード4を読む』


BGMは、テレビから流れる音声。
穏やかな空気漂う『ちっ子亭』の店内。

暫し待っていると、背の低いおばちゃんが、
ニコニコと微笑みながら歩み寄ってきて、
眼前にスッと盆を滑り込ませた。

うどん食堂ちっ子亭 しょうゆうどん(大)

『しょうゆ(大)』

ついに現れし純白の麺線に、息を呑む。

うどん食堂ちっ子亭 麺アップ

泣く子も黙る艶やかさ・・・!
見とれるほどに美しい・・・!

新鮮な魚みたいに・・・!
ピカピカピカピカ・・・!

輝いてやがるっ・・・!!

千差万別である客の好みへ対応するためか、
別皿に盛られた「大根おろし」、そして「ネギ」

その両者をドーン・・・!

全速で・・・!
捲くりがけるっ・・・!

華麗に決めた・・・!
強襲の大胆ショット・・・!

うどん食堂ちっ子亭 しょうゆうどん(大) 最終形態

見てくれ・・・!
これがちっ子亭の醤油うどん・・・!

その最終形態だっ・・・!!

イクぞっ・・・!
いよいよイクぞっ・・・!

麺・・・イクぞっ・・・!

うどん食堂ちっ子亭 しょうゆうどん(大) 麺アップ

ブルォォォン・・・!

割り箸を通して右手に伝わって来る、
麺と麺がぶつかり合って弾け合う感覚。

大型のバイクが奏でる音色みたいに、激しく放つ。

そんな麺が魅せる世界観は、
噛み込んだファーストインパクトから、
突き抜けて、独創的。

表面が固く、「ガシッ」としている。

しかし、その表面の層は薄く、更に噛み込むと、
次に、「シコッ」としたような「スーッ」と歯が入る、柔らかめの層が来る。

それから、アルデンテ。

芯部に達すると・・・!
力強く・・・強烈に魅せる・・・!

反発力っ・・・!!

固い・・・柔らかい・・・また固い・・・!
三段階アルデンテによる攻撃で・・・!

農民に襲い掛かるっ・・・!

<ぐほぉぉぉぉぉ・・・!舐めていた・・・!
俺はちっ子亭の実力を完全に甘く見ていた・・・!>

店前に「手打ちうどん」との表記は無く・・・!
「自家製麺」と書いている辺り・・・!
手打ちかどうかすら怪しいとさえ思っていた・・・!

別に手打ちじゃなくても美味けりゃいいんだが・・・!
やはり手打ちに比べると・・・そうじゃねぇ麺は・・・!
長打力が下落傾向・・・!その感はどうしてもある・・・!

だから当初・・・!
フォアボールから入られても驚きはしないと思っていたが・・・!

あろうことか・・・!
俺はいきなりの三球三振・・・!

まさか・・・可変アルデンテ・・・!
それも三段階に変化するタイプを放って来られるとは・・・!

固めに感じる表面の食感が・・・!
好みの分岐点になるだろうが・・・これは面白い麺だ・・・!

面白いよ・・・面白いよ・・・!
ちっ子さんのアルデンテ・・・!

その時、竜一、
気付く。

「あ・・・!」

うどん食堂ちっ子亭 生姜

しまった・・・!

俺は生姜農家なのに・・・!
生姜を入れることを忘れていた・・・!

「なーんか足りひんと思ったんよなぁっ・・・!」

<おろし生姜はテーブルに予め置かれている・・・!
くっ・・・!このパターンだったか・・・!>

(エピソード4へ続く・・・!)
『エピソード1を読む』 『エピソード2を読む』 『エピソード4を読む』

押して頂けると励みになります!