週末の夜、私は高知市の繁華街にある焼鳥屋で、
ネギマをシーシー言わせながら、焼酎をあおっていた。
6人掛けの小さなカウンター席に座った私と友人の両脇にいた、
背広を着たサラリーマンたちも、ポツリポツリと帰り始めた。
そんな中、私はネギと鶏肉が一個ずつ刺さったままの串を、
"最後のお楽しみ"として、皿の上に置いてメールを打った。
「あとで、あとでね、実は・・・コスプレバーに行こうとしています」
返信はスグだった。
「コスプレって 高知ロワイヤル?(笑)」
本日終了ムードのお母さんを、なんとか引きとめよう、
いや、引きずり込もうと、私もスグに返した。
「そう!行かないですか?(;ω;)」
泣いている顔文字つきで、だ。
これはもはやダメ元だった。
何かと不遇を受けることが多い私の人生。
お母さんは、「また今度ねー」なんて軽く言って去っていくのだろうと思った。
「今度っていつよ・・・!」
そう叫んで泣きじゃくる準備はできていた。
けれども、お母さんから返ってきたメールの文章は神様みたいだった。
「自転車捨ててタクシーで高知ロワイヤル目指してアニソン3曲歌って帰る!(笑)」
泣いた。
全俺が泣いた。
<そりゃあ泣きもするさ・・・!
まだ出会って日も浅いのに、お母さんは・・・お母さんは・・・!>
俺と一緒にコスプレバーへ行ってくれる
って言うんだっ・・・!
嬉しかった。圧倒的に嬉かった。
<お母さんさえ来てくれれば・・・!
未曾有のコスプレバーに2000倍の勇気を持って踏み入ることができる・・・!>
(画像は、"お母さん"こと、かえ♪さんのブログから拝借!)
おたくとは・・・!
「熱中趣味人」のことである・・・!
名言である。
私と友人は、お母さんが到着するよりも先に店に入った。
少し暗めの照明、ロングヘアーでイケメンの男性店員さんが人数を聞いて席を示してくれる。
あとから聞くと、その男性が店長さんだった。
席に座ると、コスプレした
えらく可愛らしいお姉さんが来てくれて、
初めて来た我々に店のシステムを説明してくれた。
それによると、男性2000円、女性1500円で、
90分の時間と3枚のチップが買える。
そうして買ったチップは、
飲み物、あるいは食べ物などに換えたりすることができる、ということだった。
とりあえず、チップを1枚、
麦焼酎のロックに換えて飲んでいると、
入口のほうから、なにやら大きな声が・・・。
「にゃーのにゃーーーー!」
声のしたほうを向くと、
三つ編みの人が立っていた。
お母さん・・・!
<本当に来てくれたんだね・・・!>
直前に、"よさこい踊りを体験してきた"ということが関係しているのか、
お母さんはいつにも増してテンションが高くて、にゃんにゃかにゃーんな勢いだった。
(後編へ続く・・・!)
コスプレがてんでバラバラな竜一さんは、コスプレしたお姉さんにメロメロにされてしまう。
お母さんは、コスプレの完全なユニゾンを目指し、一計を講じた。
この次も~♪
ハッスルハッスル~♪
「後編を読む・・・!」