https://syoga-udon.com/archives/35638
※ 続けて読みやすくするために、前編を後から更新しています。
圧倒的取りやすさの肉に恐縮しつつも、できるだけ頑張った。
脇にネギと生姜を載せ、着席して作業に取りかかる。
<よしっ!かんせぇぇぇいっ・・・!>
『むぎ庵!フルぶっかけ!』
私は興奮に耐え切れず、笑ってしまった。
<むぎ庵がバイキン具になったと聞いてから、ずっと夢見ていた光景・・・!>
圧倒的・・・!
絶景っ・・・!
温玉と肉を、中央に配置。
そして取れるだけ取ってきた揚げ物を周囲に散りばめた、男らしさ溢れる1杯。
幸せだ。最高に幸せだ。
毎日、山の中で草を刈った甲斐もあるというものだ。
麺は遥か器の底。
見えない、麺は見えない。
そこにはただ、夢の世界が広がっている。
サクサクと、メンチカツの衣が音を立てる。
<うわーん>と私は吐息を漏らした。語尾にハートマークが付く勢いだ。
レンコン天は、噛むとバリバリ言った。
<むぎ庵は・・・美味い、不味い、を超えてしまった・・・>
美味いか、不味いか、じゃない。
幸せか、不幸か、だ。
私は愉悦に浸り、呟いた。
<この器の中で・・・うどんに巻かれ・・・トッピングの布団をかけて眠りたい・・・>
ハッと気付いたときには、すべてを食べ切っていた。
<結構お腹張った・・・>脂で胃がもたれている。<1杯で大ダメージを受けた・・・>
意識が朦朧とする。
<でもまだ食べられる・・・元を取らなきゃ・・・>
私を支えているのは、貧乏根性だった。
席を立ってトッピングコーナーを目指す。
<唐揚げ、もう1個食べよう・・・!>
だが、いったいどういうわけだろう。
貧乏な手が勝手に動いて2個取ってきてしまった。
かぶり付くと、熱々の唐揚げから肉汁が滴る。
驚いたことに『むぎ庵』の揚げ物は、全部温かい。
見てみると、揚げ物の在庫は元々たくさん置かれていない。
そしてその減り具合を、定期的に店員さんが確認しにきている。
確認して、少なくなっているものだけを新たに追加しているようだ。
<そうすることで客は常に温かいものを食べられる、店側は余計なトッピングを作らないで済む、そんな感じかな>
唐揚げをおかわりしても、まだ入りそうだった。
<どうせなら、チラシ寿司も食べてやる!>
サラダバイキングのようなものもあったので、ヘルシーに野菜も取ってきた。
<うどんにご飯に、野菜に揚げ物!バランスいいねっ!>
心がウキウキときめいた。<バランスとって、大きくなります・・・!>
しかし、さすがにお腹が張ってきた。
チラシ寿司が逆流しそうになるのを、オクラで抑えてブロッコリーで押し込む。
<これだけ食べれて730円なら安い・・・>
朦朧とする意識の中で考えた。<普通のセルフうどん店でこれだけ食べたら、1500円・・・いや2000円近くいってしまうんじゃないか・・・>
腹をさする。
<俺めっちゃお腹出た・・・!>
叩くとポン!と、いい音が響く。
太鼓だ。私の腹は太鼓と化した。
ポンポコリン。ポンポコリン。
◆ バイキン具うどん むぎ庵
(高知県高知市仁井田70-4)
営業時間/11:00~14:30
定休日/無
営業形態/セルフ(トッピング食べ放題)
駐車場/有
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