『EP2を読む』
<卵が…卵が食べたいっ…!>
朝起きると真っ先にそう思った。頭の中が卵でいっぱいだった。
「あぁっ…それにしても…老舗のほっこりした卵が食べたい…!」
老舗のほっこりした卵といえば、何処だろう。
答えはすぐに閃いた。
信州庵だっ…!
『手打生そば・うどん・信州庵』
店の南東『きゃべつ畑』というお好み焼き屋さんの隣にある駐車場に車をとめて中に入る。
(駐車場の詳しい場所説明?は、コチラッ!)
きたっ…!
老舗の落ち着き…!
長く営業されているお店ならではの、穏やかな空気が私を包む。
<卵が…卵が食べたい…! ここは重い手じゃなくていい…釜玉…釜玉でいいんだ…!>
メニューに「釜玉」を探す。
だがっ…!
しかしっ…!!
残念……!
NO!釜玉…!
信州庵!
メニューに「釜玉」なし!
<終わった…ここに来た時点で限界ギリギリだった…俺はもう…卵欠乏症で倒れおおすしかない……>
途方に暮れるそのとき…!
卵の精霊「エッグ・アルラウネ」が降臨した。
「まだ終わっちゃいないぜ…!卵を巡る勝負はこれから…!」
「なにっ…!どういうことだ…!」
戸惑う私に、エッグ・アルラウネは言った。
「メニューをよく見てみろっ…!」
「うぐっ…!」
「肉玉に月見に玉子とじ…!卵はなにも釜玉だけじゃない…!」
それだけ言って、エッグ・アルラウネは去っていった。
<そうだ…!そうだよ…!アイツの言う通りだ…!俺はいつしか釜玉の幻想に絡め取られ…卵を使ったうどんといえば…釜玉だと信じ切っていた…!>
物事は一歩引いた視点で見なきゃダメっ…!
よく見りゃ…まだあるじゃないか…!
卵を使ったうどん…!
圧倒的卵うどんがっ…!
<他人うどんに親子うどん…!これも卵を使ったうどんだろうっ…!?気持ちのいい卵うどんってもんだろう…!>
『親子うどん(中盛り)』
しかも!ごはん付き!
私は知っていた。ごはんが付いてくることを。だからいつもの大盛りではなく中盛りにしたのだ。
食べ切れないからではない。カロリーを気にしただけだ。
三十を過ぎたら急激に代謝が悪くなった。もう二十代の頃のように好きなものを好きなだけ食べるというわけにはいかないのだ。
別盛りにされた、ネギ、天カス、ワカメを載せる。すると、どうでしょう。
うどんが見えない…!
未曾有の具だくさん…!
正確には少しだけうどんが見えてしまっているが、細かいことはいい。これだけ具が入っているということが、ありがたいっ…!ではないか。
「感謝とリスペクト」
うどんと接するときも、人に接するときも大切にしたいことだ。
なんて白さだっ!
そして!長いっ…!
やや太めの麺。食べ応えシッカリ。
麺上を覆うフワフワの卵と、プリプリの鶏胸肉。
"親子うどんなんて…親子丼のごはんがうどんになっただけだろう…"
当初は私もそう思っていた。
だがそれは違う。
カレーライスとカレーうどんが違うように、親子うどんは親子うどんであり、親子丼ではない。いわば三國連太郎と佐藤浩市みたいなものなのだ。
(EP3.5に続く…)
『EP3.5を読む』
◆ 手打生そば・うどん 信州庵
(高知市北本町1丁目6−11)
営業時間/11時~16時(土曜は14時30分まで)
定休日/日曜・祝日
営業形態/一般店
駐車場/2台
『信州庵』の場所はココっ・・・!