ここは香南市野市町(のいち)。
二十年ほど前、
まだ香美郡野市町だったころは、
辺り一面に田園風景が広がっていた。
幼少期の私は思っていた。
「野市、田舎やな!」
しかし近年、野市町は再開発され、
鉄道が走るようになり、駅前は様変わり。
すっかり垢抜けた町となった。
これが良いことなのか悪いことなのかは別として、
野市町という町は(駅前だけ)別の町みたいになった。
そんな野市町に、
あるとき一軒のラーメン店ができた。
元々、骨付き鳥の店としてやっていたのが、
ラーメン店になったのだ、と噂に聞いたときには、
「ふーん」としか思わなかった。
しかしその店に、
私は2014年夏ころから、
頻繁に通うようになる。
今日も
マルトクラーメンが
食べたいんっ!
11時の営業開始、間もないころに入店。
すでに店内、客多め。
最近、客の数が増えている印象。
腰を下ろしたカウンター席。
正面の壁に貼られたメニューを見て考える。
<いま一番食べたいのは、
『油そば』……しかし……!>
数時間後に人と合う予定があった。
<『油そば』………!
ニンニクがすごいんだよな……!>
マルトクの『油そば』を食べると、
そのあとしばらく自分でも
自覚できるほどのニンニク臭に見舞われる。
これまでの経験から、
それがわかっている。
言えば、ニンニクを抜くこともできる。
だが、それは絶対にやってはいけない。
ニンニクがあってこその、
油そばだろうがっ…!
<とどのつまり………!
この局面…『油そば』はダメ……!>
俺は知っているんだ……!
『つけ麺』だってニンニク祭りなんだ…!
ここで重い手はいらない…!
シンプルで……!
お出かけ前に食べれる…!
軽い手でいいんだ……!
中華そば!特盛!
『中華そば』ならば、
ニンニク臭はあまりしない。
それも過去のマルトク経験からわかっている。
<大盛で自重しようかとも思ったが…!
やはり男は黙って特盛……!
お腹が張らなかったらいけないからな…!>
さすがは特盛。
麺量2倍。
丼の中で、麺と麺がくっつく勢い。
高密度で埋まっている。
こんなにいっぱい
ラーメンを食べられるなんて。
なんだか……!
嬉しくなってくるっ…!!
正月だけで、
体重が3キロ増えた。
明らかに正月、
食べすぎた。
ここでラーメンを
特盛になんてしている場合では
なかったのかもしれない。
でも…止まらない……。
食欲が止まらない……。
マルトクラーメンの、
『中華そば(特盛)』
その麺を食べきり、
スープを飲み干したとき、
私は自分で自分がわからなくなった。
まだいける……
あと2玉くらい……
余裕で食べられる……。
◆ マルトクラーメン
(高知県香南市野市町西野2217)
営業時間/
11:00~15:00
17:30~22:00
定休日/水曜日
駐車場/有