いつものように、たも屋に行った。
いつものように、"かけ"の特大を頼んだ。
セルフ店のたも屋。
自分で"てぼ(ふりざる)"に麺を入れ、
数秒間お湯に浸けて、麺を温める必要がある。
そして、いつものように、
注文した後、お湯を溜めてある所に行き、
ドンブリから、てぼに麺を移そうとした。
その時。
手元、狂乱。
ビュルン!
一本の麺が、
てぼから、こぼれ落ちようとする。
いかん・・・!
落ちる・・・!
瞬間。
発動する・・・!
黄金の左・・・!
ガシッ・・・!
麺を・・・掴むっ・・・!
素手で・・・!
魂で・・・!
掴むっ・・・!
だが、さすがは讃岐生まれ。
ツルンとした滑らかな喉越しが売りの、たも屋の麺。
掴んだ左手から・・・ツルッ・・・!
滑らかに滑り落ちて・・・!
そのまま・・お湯の中にドボン・・・!
あぁ・・・俺の麺・・・。
俺の麺がぁぁぁぁぁ・・・。
アッと言う間にヒュルヒュルと、
溜まったお湯の中に沈んで行った麺を見て、
竜一の気分も暗く沈んだ。
圧倒的、自己嫌悪・・・。
もうダメだ・・・。
まともに麺も温められないなんて・・・。
で・・でも・・・!
こんなミス、誰でもありがちやろ・・・!
そう思って、お湯の中を覗き込んだのだけど、
私が落とした麺一本しか沈んでいなかった。
こんな、しょーもないことする人、
あんまりいませんよ♪
一本だけ沈んだ麺から、
たも屋の心の声が聞こえてくるようで、
更なる自己嫌悪に陥ってしまった。
全量を落とさなかったのが、
まだ不幸中の幸いか・・・。
チラリと横を見ると、
どこぞの奥様が、私に物凄く冷たい視線を送っていた・・・。
『かけうどん(特大)』
(ネギ入れまくってすみませんエディション)
食べながら、
この悲しみから・・俺・・三年は立ち直れない・・・。
そんな風に落ち込んでいたのだけど、
竜一好みの薄味のたも屋の出汁は、心の傷に染み渡り、
うどんを食べ終わる頃には、すっかりと癒えていたのでありました。
◆ 手打ちうどん たも屋 南国店
営業時間/10時30分~14時30分
定休日/無
営業形態/セルフ
駐車場/有
(かけ200円、ひやひや280円、ぶっかけ280円、釜たま330円、カレーうどん380円など。
大は100円増し、特大は200円増し)
『手打ちうどんたも屋南国店』の場所はココ!