【高知】「ひばり食堂」デカ盛の聖地で飯1合の「カツ丼」を喰らう!

2011.01.17

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【高知】「ひばり食堂」デカ盛の聖地で飯1合の「カツ丼」を喰らう!

2011.01.17

私は麺が好きだ。
私は麺が大好きだ。

麺の中でも、一番好きなのは、うどんだ。
だけど、ラーメンも好きだ。

そうだ!
今日は、ラーメンにしよう・・・!

どうせ食べるなら・・・ガッツリ・・・!
体中がラーメンで満ち溢れるほど・・・!

食べたいっ・・・!

その時。
竜一、閃く。

ガッツリ食べられる店といえば・・・あの店だ・・・!
今まで・・・行きたいと思っていながら・・・!
遠くてなかなか行くことが出来なかったあの店・・・!

デカ盛の聖地・・・!

ひばり食堂・・・!

何でも、そのひばり食堂という名の食堂。
カツ丼の大盛が有名で、ご飯の量は、並でも一合、大盛が二合、
『倍盛』という量になると、なんと!四合もあるのだと聞く。

まぁ、今回、私が食べる予定なのは、
カツ丼じゃなくて、ラーメンなのだけどね。

場所は、高知県と徳島県の県境がある町、大豊町。

当然、
高速道路には乗らずに、
一般道で行く。

高速に乗る金・・・?
そんなものは無いっ・・・!

というわけで、南国インターチェンジ入口を横目に、
そこから適度な速度で走って、30分弱。

着いた目的地。
ひばり食堂の前を、一旦横切って、駐車場を探す。

事前に、駐車場が、道と平行して流れる川の対岸。
つまり、店から離れた場所にあるという情報は掴んでいた。

ひばり食堂 駐車場 遠目・・・!

向こうに見える、あれが駐車場かな?

ひばり食堂 駐車場

間違いねぇ・・・!
ここが駐車場だ・・・!

思ったよりも近かった大豊までの距離とは裏腹に、
駐車場から店までの距離は遠かった。

ひばり食堂 遠っ・・・!

見ろっ・・・!
ひばり食堂が米粒のようだ・・・!

ひばり食堂付近の川

折角だから、大豊の自然を満喫しながら、歩いて行く。

森の香りがする空気。
寒いからか、川の中に魚は一匹も見当たらなかった。

テクテクと歩いて、大豊町役場前。
ついに到着。

ひばり食堂

『ひばり食堂』

ここが・・・知る人ぞ知る、
デカ盛の聖地か・・・!

まるで、ただの田舎の食堂のように佇むその姿。
能ある聖地は、爪を隠すのだ。

意を決して飛び込んだ店内。
ほぼ満席。

老若男女、皆、黙々と箸を進めている。

そして竜一、この時。
まだ店の人に気付いてもらえていない。

カウンター越し。
厨房にいる人に声を掛ける。

「あ・・・あの・・・!
ま・・ままま・・・満席ですか・・・?」

蚊の羽音ボイスに気が付いた店のおばちゃん。

「あ~空いてる席に座っといて下さい。あとで行きますので」

「は・・・はい・・・」

返事をしながら、
竜一、少し困惑。

空いてる席にって・・・。
それはつまり・・・。

戸惑っていたその時、
席を立つ中年夫婦。

見えたっ・・・!
眩い閃光・・・!

希望の光っ・・・!

座れるっ・・・!
座れるおっ・・・!

イス取りゲームのように、
全力で、夫婦が座っていたイスを確保。

誰にも渡さねぇ・・・!
コイツは俺のイスっ・・・!
心の恋人なんだっ・・・!

とりあえず、
大人しく座って待つ。

店内、静か。
話し声も、ほとんど聞こえない。

20人ほどの人がいるとは思えない静寂の中で、
途中、本当に注文を取りに来てくれるのかと不安になりながらも、
待てと言われたからと、気長に待った。


しばらくすると、
水が入ったコップを、手にガシッと掴んで、
おばちゃんが現れた。

「なんにしましょ?」

「ちゃ・・・ちゃちゃ・・・チャーシューメン!」

「すみません、ラーメン・・・!
今、麺が切れてて無いんですよ」

Σ( ̄ ̄ ̄Д ̄ ̄ ̄lll) ガビーン

脳内で、
再生される杏里。

ラーメンが食べたくてここまで来たのに・・・!
無いだなんて・・・!
どうしてなの・・・!

悲しみがとまらない。

チワワのように潤んだ瞳で、
おばちゃんを見つめる。

しかし、おばちゃん。

圧倒的・・・!
無表情・・・!

仕方ない・・・。
なにか別のものを頼むしかねぇな・・・。

だが、竜一。
決められない。

チャーシューメンに代わる代打が決められない。
傍らでは依然として、おばちゃんが無表情で待っている。

ダメだ・・・!
見えねぇ・・・!

メニューはいっぱいあるのに・・・!
あの文字しか見えねぇ・・・!

実はこの時。
竜一の脳内では、ある言葉が連呼されていた。

「カツ丼・・・カツ丼・・・カツ丼・・・」

『ひばり食堂=カツ丼』
このイメージが強すぎて、
カツ丼以外のメニューに目が行かないのである。

だけど・・・待てよ・・・これは・・・!
言っているんだよ・・・!

天が俺に食えと言っているんだ・・・!

伝説のカツ丼を・・・!
ひばり・・・!
この聖地の大盛カツ丼を・・・!

食えとっ・・・!

運命に導かれるように・・・!
意を決して・・・!
おばちゃんに・・・頼む・・・!

「じゃ・・じゃあ・・・かか・・カツ丼で・・・」

しかし・・・竜一・・・!
頼んだのは、まさかの並・・・!

普通の・・・並・・・!

大盛なんか食えるかっ・・・!
二合だぜっ・・・二合っ・・・!

普段・・・うどんをバカ食いしている・・・
あれは・・・うどんだから出来る芸当・・・。
愛で乗り越えられている量・・・。

カツ丼は・・・!
うどんじゃねぇ・・・!

だが、並でも一合あるという噂のカツ丼。
どんなものなのかと楽しみで、
待っているあいだにも、期待がドンドンと膨らんだ。

「お待たせしましたー。カツ丼です」

そう言いながら、おばちゃんは、
野球選手がサイドスローでボールを投げるみたいにして、
丼を横手投げで、テーブルの上に「ストォーン!」と置いた。

そして、間髪置かず、
味噌汁が入った器をやはり横手投げで、
今度は「スーっ」と滑らすように、滑らかに置いた。

「これが聖地の技か!」と大変に感銘を受けながら、
私は丼の蓋を開くのだった。

ひばり食堂 カツ丼

伝説の『カツ丼』

~食べることが、運命だった~

ひばり食堂 カツ丼 アップ

ご飯の上には、
カツがドサッと二枚、乗っている。

そして、脇には、
厚さ1センチほどのカブの漬物が二枚、鎮座。

ひばり食堂 カツ丼 カツアップ1 ひばり食堂 カツ丼 カツアップ2

玉子は、半熟と言うより、
限りなく生に近い。

ひばり食堂 カツ丼 カツアップ3

時刻は13時半ほど。
だが、さすがはデカ盛の聖地。

こんな山の中で、しかも平日なのに、
次から次へと、お客さんがやって来る。

それほど広くは無い店内。
順次、相席して行かないと座れない。

当たり前だが、
誰にとっても、知らない他人と相席して、
気を使いながら飯を食うことは、嬉しいことではない。

来た人は皆、どこかに相席しないと座れないことを告げられると、
一様に戸惑いの表情を浮かべながらも、
仕方が無いから、座っている人に断りを入れながら相席して行っている。

私の隣の席も、一人分空いていたのだけれど、
座り易い入り口近くの席にも拘らず、誰も座ってこない。

それはそれでラッキー。
と思いながらも、

もしかして、俺は臭いのではないか。

そう疑心暗鬼し始めた頃、
一人の作業着姿のおじさんが近付いて来た。

「ここ、いいですか?」

明らかな作り笑いを浮かべて、
そう聞いてくるおじさん。

だが、竜一その時。
口の中、カツ丼で一杯。

「う・・・うっ・・・うっ・・・」

二度三度、ガクガクと頷きながらそう答えた。

そして、おじさんが手にした漫画本のページを、
パラパラとめくり始めた頃・・・。

ひばり食堂 カツ丼 完食・・・!

完食っ・・・!

最初、見た目が思ったほどの迫力ではなかったのと、
普段から一食で一合ほどの米を食べている実績から、
二合は危険だが、一合なら余裕だと踏んでいたのだけれど、

実際に食べてみると、二枚のカツの攻撃力で、
最後の方は、カツが、まるで鮭のように、
産まれた川をさかのぼろうとしていたのだった。

ひばり食堂

◆ ひばり食堂
営業時間/11:30~18:30(11月~2月は17:30まで)
定休日/無
駐車場/有(北側の信号がある交差点を曲がって橋を渡ると有ります)

(カツ丼700円)
「ひばり食堂(ひばり会館)」の場所はここ!