【閉店】手打ちうどん とがの藤家 エピソード1/俺の足跡

2011.01.29

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【閉店】手打ちうどん とがの藤家 エピソード1/俺の足跡

2011.01.29

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高知市升形にある名店、『手打ちうどん藤家』

その藤家の大将が、
高岡郡佐川町の斗賀野(とがの)という地域に、
新しい店を出店された。

そう聞いたのが、かなり前。

距離の壁に阻まれ、
なかなか行くことが出来なかったのだけれど、
冬になって時間が出来たから、行ってみた。

高知ICから須崎東ICまでの区間が、期間限定で無料。
それをいいことに、高速道路を使って、とりあえず須崎市まで。

そこからは、自力。

カーナビは付いていないし、地図も持っていない。
頭の中にあるグーグルマップの記憶だけを頼りに、佐川町を目指す。

国道494号線。
二車線の道は、古びた商店街を抜けて、グングングングン。
山の中に吸い込まれるようにして登って行く。

「こんな所にうどん屋があるのだろうか」

少し不安になりながらも、道なりに走って行くと、
『斗賀野トンネル』と書かれたトンネルに入った。

長いトンネルだった。

『千と千尋の神隠し』の冒頭の場面みたいに、
これを抜けたら、何処か違う世界に行ってしまうような気になった。

どうせなら、うどんがタラフク食べられる世界。
そんな世界に行ければいいのに・・・。

トンネルを抜けると、今度は下り坂。

わずかに下ると、右手に、『うどん』
と書かれた紺色の旗が目に入った。

あっ!えっ・・・!
こ・・・ここっ・・・!?

「あれか!それか!」と戸惑っているあいだに、
下り坂で勢い付いた車は、
右折するべき地点を数十メートル行き過ぎてしまって、引き返す。

そうして、裏道に進入すると、すぐに見えてきた。

手打ちうどん とがの藤家
(どこかに写っている犬をさがせ・・・!)

『手打ちうどん とがの藤家』

うわぁあぁぁっ・・・!
ついに来たぁぁあああ・・・!

歓喜・・・!
湧き上がる悦び・・・!
全身で浴びる達成感・・・!

私は登山をしたことが無い。
だけど、登山が好きな人の気持ち、
それがこの時、少しだけ解ったような気がした。

それにしても、店・・・というよりも、
"お屋敷"という言葉の方が似合う、立派な建物だ。

門をくぐった先には、"お庭"があった。

引き戸を開けて、中に入る。

すると、目の前に現れたのは、
古の香り抜ける、和の空間。

「二階も開いていますよ♪」

見たことが無いほど綺麗なお姉さんにそう言われて、
二階に上がってみた。

手打ちうどんとがの藤家 二階

一階から二階は吹き抜けになっていて、とても開放的。

手打ちうどんとがの藤家 二階2

畳の床。
眼前に迫る、大きな梁。

それらは、窓から射し込む柔らかな陽光に照らされ、
独特の美しい色合いを放っていて、
建築に興味が無い私でも、自然と目を奪われた。

手打ちうどんとがの藤家 藤家ノート

そうして辺りを観察していると、一冊のノートを見つけた。

手にとって見ると、
表紙に、『藤家ノート』とあった。

「なんだろう・・・!」

手打ちうどんとがの藤家 藤家ノート裏表紙

裏表紙を開けると、
そこに答えが書いてあった。

『藤家へようこそ!!! ご自由に何でも書いて下さい(*^ー゚)v』

わかった・・・!
つまり・・・!
これは・・・足跡帳・・・!

折角だから、私も書き込んでみた。

手打ちうどんとがの藤家 藤家ノートに書き込んでみた!

(エピソード2に続く)
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