高知インター店で、たも屋の既存メニューで、
最も亜種系だと思われる『釜バター』を食べた竜一は、
それから4~5日後、"いつもの"南国店に姿を現していた。
<釜バターを体感した今だからこそ・・・あえての原点回帰・・・!
考えてみれば・・・俺・・・!たも屋の醤油うどんは一度しか食べたことがねぇんだ・・・!>
『手打ちうどん たも屋 南国店』
勝手知ったる我が家、南国店。
ピーク時を外すいつもの戦法で、11時台。
入り慣れた自動ドアを潜って、取り慣れた盆を取り、
その上にコップを置いて、見慣れた給水機から水を入れる。
醸し出す「ブィーン」という給水音も、お馴染みだ。
だけど、カウンター越しに立つ見慣れたおばちゃんに注文するうどんは、
数十回と通っていても、まだ二度目だったりする品。
「し・・・しょうゆうどん・・・!
あ・・・!と・・・とと・・特大で・・・!」
<ドモッてない・・・!
俺は寸分たりともドモッてない・・・!
俺は生まれてから一度もドモッたことなんて無いんだ・・・!>
「醤油うどん・・・特大ですか・・・?」
「ははは・・・はい・・・!」
それでも、ボクは、ドモってない。
丼に入れられし"白くて長いモノ"を受け取って、
トッピングコーナーでワンストップ。
かけ出汁前ストレートはそのまま駆け抜けて、
会計、ネギ、生姜と、レース前の予定通りのピットストップを行い、
よく座る窓際のカウンター席へ。
暫定1位、現時点での最速タイム。
あとはハミルトンさえなんとかすれば、
明日の決勝はポールポジションからのスタートだ。
『しょうゆうどん(特大) & 春菊のかき揚げ』
しょうゆうどんを食べること自体は多いのだけれど、
たも屋では、様々なバランス的要素を加味して、
いつも「かけ」や「釜玉」を注文しているから、「たも屋のしょうゆ」は本当に久し振り。
<元気だったかい・・・!たもしょうゆ・・・!
醤油だけを纏ったスッピンのキミは・・・また一段とベッピンさんだね・・・!
白くハリがあって・・・!キメ細やかな麺肌・・・!>
「ファンデーションは、使ってません。
打ち粉は、使ってます」(南国市・しょうゆうどんさん)
会計時のタイミングで、
麺上には既に出汁醤油を薄めに回し掛けてある。
<俺の薬味の盛り方が上手だから・・・!
余計ベッピンさんに見えるなぁ・・・うんうん・・・!>
いざ、ツルり。
<同じたも屋のうどんでも・・・!
群雄割拠で押し寄せてくる釜バターとはまた違い・・・!
醤油と小麦のツーサイドアタック・・・!>
ネギのシャキシャキ感・・・!
そしてピリリと刺激する生姜が・・・!
口に運ぶ度の細かい変化をもたらして魅せる・・・うどんの真骨頂っ・・・!
<麺類・・・数あれど・・・!
醤油かけときゃ喰えちゃう麺は・・・なかなかねぇっ・・・!>
醤油うどんのように、恐ろしくシンプルな食べ方も出来るし、
カレーうどんや焼うどん、すき焼きや鍋物に脇役として入れても美味しく食べられる辺りがまた、
うどんという食べ物の、奥深さを感じる部分である。
『春菊のかき揚げ』
"旬のもの"ということで、あっただろうか。(※ この時、1月下旬)
トッピングコーナーで初めて見かけて思わず跳び付いた。
卓上の醤油を数滴垂らして食べる。
これは、今はもう無いうどん屋さんに教えてもらった食べ方だ。
こうすると天ぷら類は攻撃力が上がる場合がある。
ちなみに、たも屋のこの春菊のかき揚げは、"上がる場合"だった。
『かけうどん(大) & ちく天』
アルデンテ補給完了。
「ゴクッ」と水を飲み干して、
立ち上がった竜一は、盆を持って返却口を目指す。
12時台が近付いて徐々に活気を帯び始めた店内。
老若男女、みんな一心不乱に白い麺をすすっている。
◆ 手打ちうどん たも屋 南国店
(高知県南国市明見958-1)
営業時間/8時~14時30分
定休日/無
営業形態/セルフ
駐車場/有
(かけ、ひやひや、釜たま、釜バターなど)
『手打ちうどんたも屋南国店』の場所はココ!