『cafe chang(カフェ・チャン)』でタイ料理を満喫して、身も心もタイ人になり始めていた私は、
忘れ掛けていた日本人としての心を取り戻すため、『イオン高知』に出向き、
高知では知らない人がいない、有名な『ショップたけざき』が運営する店にて、おむすびのセットを購入。
イオンのフードコートで食べる手立てもあったのだけれど、
人がウジャウジャいたし、普段、家族以外の誰にも会わずに一日が終わったりすることもある
孤独な農民にとって、そういう環境は、すこぶる居心地が悪いから、テイクアウトして家で食べる。
俺は一匹狼なんでね・・・!
『看板セット』
天むすと唐揚げが入ったおむすびと、玉子焼のセット。
520円という価格は、『たも屋』の「かけ・特大」よりも高く、購入時に怯むに充分な価格であったが、
そもそもうどん基準でモノの値段を鑑みていたら、否が応にも大抵のモノを高く感じてしまう・・・。
さて、かの有名な『ショップたけざき』の玉子焼だが、実は私はこの時が初体験で、
多くの人が「美味しい!美味しい!」と言う評判の味がどんなものなのか、
とても興味があり、天むすを手に取って360度、あらゆる角度から眺め回してからいただいた。
<天むすなんて何年ぶりだろう・・・!>
あまり普段、「是が非でも天むすが食べたい!」と思うことは無いし、
あったとしても、天むすというものは微妙に値がするから、買うことを躊躇してしまう、
<189円?エムズファクトリーで、かけうどん喰える値段だぞっ!>とか思っちゃって・・・。
天むすを一口食べておいて、玉子焼に箸を向ける。
左手に天むす、右手に箸という状況である。
そのまま男らしく豪快に、
玉子焼を丸カジリにしおおす!
<ふぉぉぉぉ・・・!
お出汁、全速力ぅっ・・・!>
速い、速い、口に含んだ瞬間に出汁がすぐさま攻撃してくる、圧倒的!出汁巻きの全速線!
ロケットみたいに速い出汁を加味して、よもや"銀河系玉子焼"と言ってしまっても過言ではないだろう!
こうして徐々に日本人としての心を取り戻していった私は、
いつの間にかランニングシャツと短パンに着替えていて・・・。
おむすびを頬張りながら呟いた。
「お・・・おぉぉ・・・おむすびが・・・美味しいんだなっ・・・!」