UDON KUA'AINA (うどん・クアアイナ)

2012.06.04

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UDON KUA'AINA (うどん・クアアイナ)

2012.06.04

2012!春の四万十ぶらり旅!
『手打ちうどん たも屋 春野店』 → 『四万十へ、新風追いかけて』 → 「UDON KUA'AINA (うどん・クアアイナ)」
→ 『西の西、足摺岬へ』 → 『道の駅 めじかの里・土佐清水』 → 『足摺海洋館』 → 『竜串海岸』 →
『グッバイ!土佐清水!』 → 『いろりや 肉醤油うどん & 力豚のカレーうどん』 → 『番外編』


UDON KUAAINA

<やっと辿り着いた・・・クアアイナ・・・!>

開店勝負は失敗した。
道に迷ったことが最大の要因だった。

11時の開店には間に合わず、
結局、11時20分頃の到着。

店前の駐車場に車を停めると、降りて店のほうを向いた。
すると店内に、白い服に身を包んで、真剣な表情で一心不乱に生地を伸ばす男性の姿が見える。

おそらくそれが店主だということは、即座にわかった。

店名はハワイ語というだけあって、
中は何処か南の国を思わせる雰囲気。

そこになにか誘われるようにして入ったはいいが、
レジカウンターの前で待っていた若い女性店員さんのキョトンとした顔を見た瞬間、
盆を取り忘れたことに気が付いて、急いで2~3歩戻る。

<あぁっ・・・そういえばここはセルフ店だと聞いたか・・・!>

ドラマの撮影でNGを出したときの役者みたいに、
入口からやり直して、再度向かったレジカウンター。

カウンター上部にあるメニューが書かれた木札を一通り眺めたのち、
微笑む女性店員さんに注文を伝えた。

すると、天ぷら類などのトッピングは要らなかったか、と聞かれて、
「はい!」と答えた次の瞬間、レジカウンターの脇にある棚に置かれた、ある天ぷらを見て驚愕した。

<デカイっ・・・しかも80円っ・・・!>

それは大きな大きな「かしわ天」だった。

かしわ天に目を奪われている私に、
女性店員さんはもう一度聞いてくれる。

「宜しいですか?」

<ダメだ・・・勝てない・・・!
かしわ天の誘惑に・・・勝てない・・・!>

かしわ天を凝視したまま、
生唾を飲んで低い声で発した。

「いや、やっぱり取る・・・」

負けた、完全に負けた。
私は、かしわ天に負けたのだ。

そんな遇機の"トッピングフェイント"に、
店員さんは可愛らしく「クスッ」と笑った。

私も、自分の行動の可笑しさに照れ笑いして、皿にかしわ天を乗せた。

開店には遅れたが、昼のピークと思われる12時台はまだ遠い。
店内には数人の先客がいる程度で、それほどの混雑はしていない。

ゆっくり食べられそうな状況に安堵しながら、
長い木のテーブルにうどんが乗った盆を置いて、腰を下ろす。

UDON KUAAINA 肉うどん・冷(大盛) & かしわ天

『肉うどん・冷(大盛) & かしわ天』

UDON KUAAINA 肉うどん・冷(大盛)

うす曇りの天気で少し蒸し暑かったから、
冷たいものを求めて注文した、冷たい肉うどん。

たくさん乗った肉。
その脇に、"ひやかけ"と相性が良い「天カス」「生姜」
それを常識的に許される範囲だと思われる量の限界付近まで、自分でトッピングした。

店主は香川の名店で修行したと聞いたが、
実はこの点について、私は大した興味が無かった。

いくら有名な店で修行したからと言って、
絶対に旨いうどんが作れるというわけではないだろうし、
逆に無名な店で修行しても、後々繁盛店の店主になってゆく人もいるだろうし、
とどのつまり、最後は本人次第だと思うからだ。

UDON KUAAINA 肉うどん・冷(大盛) 麺アップ

けれども、クアアイナの麺は想像以上!

箸で麺を掴んだ感覚は衝撃的だった。
麺の一本一本がズッシリと重く、しかも張りがある。

「打った」というよりも「鍛えられた」という言葉のほうが似合う、
他店でもなかなか無い強烈な波動が箸を通して伝わって来る。

強反発の噛み応え。

麺の中にバネでも入っているかのように、
噛んでも、噛んでも、常に麺が弾き返そうとしてくる。

「豪麺」・・・「ゴム麺」・・・。

そういう言葉を使いたいのだけれど、
どちらの言葉にも完全には当てはまらず少し違うような、独特の食感。

強い・・・強靭・・・!

言うなれば、鋼。

鋼のアルデンテ・・・!

キリリと冷えた出汁も個性的。

イリコやカツオなど、数種の削り節を使って拵えていると店内に書かれていたが、
口に含む以前から、それら節の香りが麺と共にフワッと香って駆け抜ける。

ただ、香りの主張が強力であるがゆえに、
この香りが、ともすれば、好みを分ける様相ではあるけれど、
他には無い独創的で攻撃的な感じで、私は好き。

UDON KUAAINA かしわ天

麺の残量2割ほど。
その時点でようやく気が付いた。

<"かしわ天"を食べるのを忘れていた・・・!>

かしわ天を食べるのを忘れるほど、
うどんに夢中になっていた。

それにしても長くて大きいかしわ天だ、
棍棒みたいだ!と思いながら、冷たい出汁に浸して食べる。

すると衣の中に一旦は染み入った出汁が、
かしわの旨味をまとって、噛むたびにジワジワジワジワ!溢れ出してくる・・・!

野球でいわば4安打目。
3安打猛打賞で、今日はよく打つなと見ていたら、
4打席目でもまた打って、コイツは恐ろしいヤツだとやっと気付いたそのときには、手遅れ!

こちらが完全に打ちのめされているのだ!

UDON KUAAINA 四万十うどん・冷(大盛)

『四万十うどん・冷 (大盛)』

6月末までの期間限定だという一杯。
「温」と「冷」が選べるようになっていたが、これも冷たい出汁でいただく。

UDON KUAAINA 四万十うどん(大盛) アップ

麺上には、「川エビ」や「青さのり」など、
四万十らしい面子が鎮座する。

中でも「ゴリ」という小さな川魚の唐揚げ。
これを私は初めて食べたのだけれど、ほんのり甘い感じがして旨い。

サクサクと軽やかな食感は
冷たい出汁の中で弾けて、圧倒的爆発力・・・!

新規に出来た店へ行くと、
長くやっている店と比べて、まだナニカが足りていないような、
もう一歩二歩届いていないような感覚に囚われることがあるのだけれど、
そういう"まだまだ感"を、味についてはまったく感じさせない、クアアイナ。

鋼のアルデンテで締め上げられ、香り高い出汁が五臓六腑を駆け巡り、
大きなかしわ天に打ちのめされたあと、最後は四万十うどんの爆発。

畳みかける連打によって、もうフラフラになりながら店を出る。

「まっさらなキャンパスに描かれ始めた、
新たなるうどんの世界の果てしない可能性」

そういうものをすごく感じた、クアアイナ。

堪能!

(まだまだぶらぶら続く四万十ぶらり旅・・・!)
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UDON KUAAINA

◆ UDON KUA'AINA(うどん・クアアイナ)
(高知県四万十市具同田黒2-6-7)
営業時間/11時~14時30分
定休日/火曜日
営業形態/セルフ
駐車場/有

(肉うどん・冷400円、四万十うどん[6月末まで]500円、かしわ天80円、大盛100円増)
『UDON KUA'AINA』の場所はココ・・・!