いったいいつの話をしているのだろう。
2012年末。私は香南市香我美町の『手打ちうどん&カフェ・ショパン』にいた。
山間にヒッソリと佇むショパン。
初めてここを発見したときの感動は、いまでも忘れられない。
ついに高知うどん界のマチュピチュを発見したぞ!
こんなところにうどん屋があったなんて!
と私は感極まり、涙をちょちょ切らせたものだった。
単騎駆けで再来訪。
(初回の記事は…コチラ!)
巧妙に張り巡らされたメニュー。
人生2度目のショパンだが、まだ緊張してしまう。
うどん屋にまで人見知りしてしまう。
私はショパンの片隅で、子鹿のように震えていた。
<なにを食べよう…!なにを食べればいい…!むしろ…この際うどんだったらなんでもいい……!>
『チャーシューうどん』という記載に目が留まった。
「自家製チャーシューと和風だしのコラボお試しあれ」と脇に書かれている。
<自家製チャーシュー…!>
「自家製」の響き、圧倒的攻撃力。
<ここでしか食べれないチャーシュー…>
そう思うと、もう止められない。止められるわけがない、この胸のときめき。
チャーシューうどんで、
ニックニクにしてやられたいっ…!!
前回もいた天童よしみ似、というよりも天童よしみ本人だと思われるオバちゃんに『チャーシューうどん』を注文して待つ。
緊張のあまり、
お茶を様々な角度から撮る農民。
さらに待つ。
待つ待つ、マツジュン!
チャーシューうどん。
野生の香り、漂わせながら走ってくる。
<ククク…貴様がチャーシューうどんかっ…!>
ときめきながらも一瞬たりとも気は緩めない。
隙を見せると、つけ込まれれる。
うどんを食べるということは、うどんとの勝負。
人生が、己との闘いであるように。
高級なオニギリ付き。
オニギリの向こう側には、昆布の佃煮が見える。
なんともショパンらしい。
オニギリには、葉っぱとかゴマとかがまぶされている。
なんとも可愛らしい。
早速、期待のエース・自家製チャーシューを食べてみる。
<とろける食感…というわけではないが…やわらかい…適度な弾力…だからすごい…肉食べてる感っ…!>
とってもとってもお肉だよっ!
中央に、ゆで卵。
脇に山菜。
<山菜…!これまたショパンらしい…!>
ちょっぴり五目うどんチックな様相。山の恵みに感謝だ。
奏でる…ショパン…!
オーケストラ・アルデンテ…!
注文が入ってから茹でるという麺。
<ありがたいっ…!茹でたて…ありがたいっ…!>
華麗なる演奏と弾力。
聴き入り、食べいる。
うどんというよりも、そう、楽団だ。
楽しい団。楽団だ。
たのしい…たのしい…たのしいだんっ…!
洋風な店名とは裏腹に、具材は皆さん和風。
一致団結した和風な皆さんが容赦なく農民を襲う。総攻撃。
<強いっ…この楽曲…モンゴル平原並みに壮大だっ…!CDだったら5枚組で発売するしかないっ…!>
さらに、これまた和風な出汁を飲んで演奏終了。
優しさに包まれた、優しい優しいユーミンみたいな和風出汁だった。
◆ ショパン
営業時間/8時~14時(うどんは11時~14時)
定休日/火曜日
営業形態/一般店
駐車場/有
(あったかぶっかけうどん480円、カレーうどん550円、大盛150円増)
『ショパン』の場所はココ!
(県道227号線、「ルネサステクノロジ」という名前の大きな工場の南東側にあります。県道沿いではないですが、県道沿いにうどん旗が立っているので分かると思います。なお情報は2012年末のものですので、ご承知おきください)