店の上にそびえる立体駐車場に車を停める。
エレベーターで地上に降りてきて、一旦外へ。
降りそそぐ太陽の光の中は強烈な熱気に包まれている。
仕事中は、もうすっかり慣れてしまって
気にならないが、働いていないときは
不思議とまともに暑さを感じる。
暑い。
道行く中年頃の女性の表情も歪んでいる。
日本有数のがっかり名所『はりまや橋』の、
すぐ近くに建ったビルが作りだす影を追いかけながら歩く。
大阪から来たパチンコ店『123』
いまだに読み方が「いちにさん」なのか
「わんつーすりー」なのかわからない。
わからないが、
とにかくその『123』の一角にあるうどん店
『まるきちうどん』が目的地。
平日。午後2時が近い。
しかし店内の客は多め。
娘に連れられて来たお婆さん、
といった雰囲気の人たちもいて、
パチンコの合間の食事ではなく、
うどんのみが目的で来店している私みたいな人も多い印象。
食券制。
券売機で食券を買って店のお姉さんに手渡す。
<このあいだ来たときにいたのと同じ人だな…>
うどん店とパチンコ店は同じ建物にありながら、
入口はそれぞれ独立している。
パチンコ店の入口の自動ドアが開くたびに
凄まじいボリュームの音が漏れ、鳴り響いてくる。
だが閉まるとほとんど聞こえない。
<防音すげぇな……>
あとは日本の政治について考えたり、
考えなかったりしながら待っていると、
店のお姉さんに呼ばれた。
わーい。『四万十青のり土佐鰹うどん』だー。
童心に返ってしまうセンセーショナル!
見ろよ………!
うどんの上にカツオが載ってんだぜ…!?
衣を付けて揚げたカツオ……!
それがドガーン!うどんの上に鎮座!
さらに青さのりが練り込まれた麺は緑色!
前回来たときから気が付いてはいたけれど、
ここの麺、こういうタイプのお店の中では力量高め。
独立して営業されているその辺のうどん店でも、
これより明らかに弱いのは少なくない。
見た目の緑色ほど青さのり感はない。
でもカツオの揚げ物はたくさん載っていて、
サザエさんファンにはたまらない。
ワカメまで載っているんですもの!
よもやの兄妹コラボ。
感極まる。
あとはサザエがあれば言うことはないな。
うどんに、サザエ。なさそうでないな。見たことがないな。
タラはまだしも、舟は無理だな。
食べられないもんな。
波は、マスは…………。