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「SALA(サーラ)」女子力高めの店内でアウェー感に浸り食べる肉

投稿日:2015.09.01 更新日:

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その日、どういうわけか時間がなくて晩ごはんを『SALA』に食べにきていた。夜は開いているうどん屋が少ないので、たまには洋食でも食べてみようかと相成ったわけだ。

客の大半は若い女性で、店内は女子力で満たされている。周囲を少し見渡してみたが、男は私くらいしかいない。

女性ばかりの中に男性が一人。そういう状況下に置かれていない日常、例えば生姜畑の中で考えると「天国じゃないか」と自分でも思いそうだが、実際はわりと居心地が悪い。

体育の授業の前に、着替えている女子たちの部屋に間違えて入ってしまったようなものだ。

しかしこの場における女子たちは、もちろん服を着ているので、着替えている最中に間違えて入ってしまったときほどの、やってしまった感はない。私はごはんを食べに来ただけだ。

オシャレな料理名が並ぶメニュー。散々迷った。
<どれ食べたらいいかわからんちや>

うどんだったら、天ぷらか肉か何も載せないか、"ぬくいが"か"ひやいが"か、選択肢はその辺りしかなく、近年ではすっかり場の空気にも慣れて迷わなくなっていたが、洋食中心のメニューが並ぶSALAにおける選択肢は多い。

<どうしよう…よう決めんぞ…>
迷っているあいだにも刻々と時間が過ぎる。周りでは女子トークに花が咲いている。

花園の真ん中で晩ごはんのメニューも決められず、頭を抱えるアラサーおじさん、そんな風に自分を客観的に見てしまう。
<ちゃんとしよう!俺は貴族だ!>

おじさん、覚醒っ…!

歩み寄ってきた女性店員さん(正直かわいい)に注文する。
「牛バラブロックのぉ、赤ワイン煮…!」

噛まずに言えた。かなり尊厳を取り戻した。何せ牛バラブロックの赤ワイン煮だ。ここまで貴族っぽい一品ならば、女子力に対抗できそうな気がする。いったい私は何を言っているのだろう。私にもわからない。

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次第に女子力に満ちた空気感にも慣れて、むしろ居心地がいいくらいになった頃、『牛バラブロックの赤ワイン煮(1380円)がきた。

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サラダとスープとライスがセットになっている。
ライスはパンにもできたのだけれど、「農家がパンを喰いよっていくかっ!」と豪語するウチの近所のおじさんと同じ理論で、というよりも農家関係なく元々ごはん派なのでライスにした。

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ナイフで肉を切ると、切った手応えがないくらいアッサリ切れた。全身で俺は柔らかい、と主張するそれを口に運ぶ。

<ふぉっ!とろけた…!>まるでソッチ系のチーズ。ふわっと口の中でとろけおおした!これが肉!これが牛バラブロックの赤ワイン煮!

付け合わせの素揚げにされたナス、それもまたとろける。全部とろける。とろける大国。
<ニンジンがあまーい>このセット内容で1380円はリーズナブル。オシャレ女子たちが集うわけだ。

会計を終える頃には出入口付近の椅子に、たくさんの待機客が出始めていた。やはり客層若め。
その前をすっかり身体に染み付いた女子力を撒き散らしながら内股で帰った。

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竜一

1982年生まれ。高知で農業経営しています。食べ歩きが好きで飲食店が好き。飲食にたずさわる人が好き。農業と高知のグルメ情報をまとめたサイト「生姜農家の野望Online」を運営。農業や生姜などの野菜のこと、大好きな飲食店を知ってほしくて書いています。[お問い合わせコチラ]

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