日本最大手のコンビニエンスストア『セブンイレブン』が高知に出店してきたのは、今年3月のことだった。それまで高知にはセブンイレブンがなかった。一店たりともだ。
新しいものが大好きで、熱しやすく冷めやすいことで知られる高知県民はセブンイレブンの店先に長蛇の列を作り、その画像はネット上に拡散された。Twitterなどでの県外人の反応はわりと……まぁ…正直…笑われてしまっていた…。
私は心の中で「そう簡単にセブンイレブンなどには行かないぞっ!」と誓ったのだった。
それから数カ月が経った8月のある日、私は初めてセブンイレブンに入った。
県内の店舗も増えてきて、もうとっくに行列はできなくなっていたし、高知県民の「冷めやすい」部分発動で、誰も「セブンセブン」言わなくなっていた。
初めてのセブンイレブン。ほかのコンビニと少しだけ店内の印象が違う。しかし何が違うのかはわからない。感覚的に何かが違う。
店内を散策していると、即席麺が陳列された棚があった。基本的にこの棚にしか興味がない。
変わった商品はないかと目視点検していると、すごいものを見つけてしまった。
<箱入りのラーメンがある…。一風堂…?福岡発で松山にもある、あの一風堂のラーメンか…>
具は入っていそうにない。価格は税込170円と、通常の袋タイプのラーメンより数倍は高かったが、食べたいという欲求が勝り、購入した。
実際に食べようとしたのは、それから一週間ほどが経った頃。
どういうわけか時間がない夜だった。夕食を手早く済ませたかった。
箱を開封すると、中には粉末スープと液体スープ、さらには乾麺を入れた袋が入っていた。通常の袋タイプのラーメンと同じような構成で、作り方も似たようなものだった。
<箱に入っちゅうだけで、要は袋ラーメンとおんなじながか…>
開封した時点で、突然外食がしたくなった。私は調理を中止した。
<今日は一風堂やめよう!>
そのまま『SALA』に行った(その模様はすでにコチラに…)。
実際に食べたのは、それからまた一週間が経った頃。
お湯を沸かしているあいだに粉末スープを器に入れる。沸騰してきたら麺を茹でて調理終了。
粉の上からお湯を注ぐと、豚骨スープの良い香りがしてきた。
そのままでは殺風景だと思い、あらかじめ茹でておいた卵を載せた。まだ彩りが悪い。
<そうだ。豚骨には紅生姜だ>冷蔵庫に何カ月も前から入っている使いかけの紅生姜も載せた。ちなみにこれはウチの生姜ではない。
まだ何か載せたいところだが冷蔵庫の中に何もない。けれども、わざわざ具を買ってきてまでは載せない。
たかがインスタントラーメン、されどインスタントラーメン、しかし、たかがインスタントラーメンなのだ。手軽に食べてこその即席麺だと思う。
というわけで完成。
これだけではお腹が張らない。
そこで実は、作って(栽培して)作れる(料理できる)農家である私はチャーハンを作って、手作りチャーハンセットにした。
一風堂即席麺、衝撃的。
<麺が…お店で食べる麺みたい……!>
先日、松山に行った際、飲んだ締めに一風堂の店舗に行こうとして行かなくて、とどのつまり一風堂に行ったことがないので知らないけれど、とにかく麺がお店っぽい。いかにも豚骨用という感じの麺で、私の気くらい細い、細麺だ。
チャーハンも食べるとお腹が張った。
腹十二分。また食べ過ぎてしまったようだ…。
(ゆで卵のカッティングに見える男らしさは消せやしない)